1.スーパーマン/クラークは何といってもクリストファー・リーブだろうけれども、70年代以降のロイスに関してはテリー・ハッチャーではないかと思う。アンビシャスで負けん気の強いこの女性記者を魅力的に描くのはむずかしい。(マーゴット・キダーは女性らしさが欠けていたし、ケイト・ボスワースは逆にロイスらしさが欠けていた。「リターンズ」がなきものにされたのはありがたいこと)ハッチャーは両方を兼ねそなえており、普段はすましている彼女がいい記事をモノにしようと裏ではジタバタしているのを見ているのがとても楽しい。(クラークの記事を横どりしたりしてるのはちょっとやりすぎ?)「デスパレートな妻たち」でセレブになった彼女だが、90年代ロイスの印象の方が強い。日系のディーン・ケインのクラークもリーブとは違った親しみやすさがあり、慣例をやぶって服装もおしゃれ、特ダネなどよりノスタルジックな記事を好む。アクションよりも2人の微妙な関係に焦点が当てられているロマンティック・コメディ風。レックス・ルーサーは表向きはメトロポリスの名士という新設定で、クラークの父ジョナサンが健在であることもうれしい。当初からオンエアが限定されていたために「ヤング・スーパーマン」(Smallville)より知名度が低い作品だけれども、ファースト・シーズン、特にパイロット版は撮影も美しくシリーズを代表するもの。メトロポリスの街は「シャーロック・ホームズの冒険」のべイカー街と同じくオープン・セット。ジェイ・グルーシュカのテーマ曲も映画にひけをとらない。