4.アルモドバル監督を称賛する人は多いから、何度もチャレンジしてみるんだけど、どうも私は好きになれないんですね、作風というか、女性の描き方が。自分のフェロモンを武器にパトロンに金を出させて、それを資金に色男に自分の映画を撮らせ、その色男とのセックスに耽溺するような女の「悲劇」には、何の感情も湧きません。色男をとりまくもう一人の女、色恋沙汰が終わり母親役に転じる元恋人っていうのも、また一つも共感できない。色彩とか多重構造的な時系列の描き方は面白いから、そこにだけ5点献上。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-02-22 10:18:25) |
3.盲目のおじさんが親切な若い女性になにやら介助されているところから始まったと思ったらこのおじさん、その女を口説く。で、やっちゃう。で、それがどうも毎度のことらしい。もうここから引き込まれてしまう。この冒頭の短いエピソードの小さな驚きの連続とさりげないユーモア。ところがある男の死を知り、またべつのある男の訪問からミステリアスな展開へと。そしてこのおじさんがまだ視力を失う前、映画監督だったころのお話がスタートする。男と女の愛憎劇。まさに愛憎劇で、とにかく濃い。たしかに入り組んだ関係と入り組んだエピソードをつなげてゆく展開といい、劇中劇といい、テレビに映し出される映画(今回は『イタリア旅行』)といい、ゲイの登場や親子の葛藤などアルモドバル印満載なのだが、いつものユーモアがここ(映画の大半である過去シーン)には無い。劇中劇をコメディとすることでごまかしてるような。そもそもその劇中劇が自身の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』をまんまコピーというのはどうなんだろう。これがユーモアのつもりだとしたら失敗しているような。全体的に重さをひきずった展開同様に今回のペネロペの美しさも異質に感じた。うまく言えないが美しさがいつものアルモドバルの女たちよりも濃厚。印象的なシーンがいくつかあって、その中でもとびっきりかっこいいシーンが読唇術のところで、決定的セリフのアフレコしながらの尋常じゃない美しさの女優ペネロペ登場。ここは唸った。このアフレコ以外にも過去の「かけら」を紡いでゆく物語と「編集」を重ねるメタ映画な構成もまたアルモドバル的なんだけどちょっと懲りすぎの感も。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-08-25 18:31:30) |
2.ペネロペの圧倒的な存在感と情熱的な魅力に溢れた作品でした。毎度のことながら、この監督の作品の雰囲気というか映像の質感ってのは素晴らしいですね。色気というか情感がこもっているというか見ていて心地がいいんですよねぇ。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 20:12:16) |
1.みんな見てないのかな? さすがアルモドバル!「こっくり甘辛煮」といった映像とストーリー展開。わかりやすさはないけれど、登場人物の心の動きが手に取るように感じられ、どっぷりとつくられた世界に浸ってしまう。ただし、この監督の旧作のような(例えば「オールアバウトマイマザー」)キレのある、スパッスパッといった展開がないのが退屈に感じる人もいるかも。 【ケルタ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-25 11:33:45) |