16.ここに登場する「悪」はちょっと戯画化されすぎてる印象があるし、「子供の死を願いそれを口にする親」ってのも、直球過ぎる気はします。しかし、あの、泥にまみれのたうち回る主人公の姿、絵具にまみれ自分を何とか消そうとする主人公の姿、これらのイメージは、到底他人とは思えない生々しさをもって、我々に強く迫ってきます。 本作を震災に絡めたこと、それを「あざとい」というには、あまりに園子温監督は危ない橋を渡っており、批判の矢面に立つ覚悟が感じられます。「もうちょっと被災者に気をつかった設定やセリフってもんがあるでしょう」という批判は、当然あるだろうけれど、本作はあえてそこまで踏み込んで、デフォルメされたグロテスクな世界(明日、自分の身の上に何が起こるかわからない、という意味では、我々の現実の世界も、なかなかにグロテスクなものなのかも知れない)における、ギリギリの再生と希望を描こうとする。泥だらけで傷だらけの自我の上に。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-19 12:44:28) (良:1票) |
15.主役のふたり(特に二階堂ふみ)の演技は素晴らしいと思うが、キャラクターが極端すぎて非常に疲れる。 園子温監督とはあまり相性が良くないらしい。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 4点(2015-08-01 22:48:21) |
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13.「偉大なる失敗作」というべきか。東日本大震災を受け、定評高い原作を大幅に改変してまで映画化に漕ぎ着けた。興収や完成度を犠牲にしてまで自らに社会的使命を課す、そのナルシスティックな姿勢は確かに観るものを圧倒するが、そのこと自体が映画としての面白さに寄与しているかは別の問題である。 【野良猫】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-09-09 19:59:49) |
12.窪塚君の服がかっこよかった事くらいしか印象に残らない映画だった。当時は難しいとは思うが、震災の問題とは切り離して作ってほしかった。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-06-25 17:11:04) |
11.5年以上前に見た、奇妙なサーカス以来の園子温作品。 自分の趣味が変化したことも理由だろうが、園監督は苦手な部類かも…。 奇妙なサーカスを見た頃の自分なら、好きな監督だっただろうが。 暴力描写、無意味な(監督の趣味?)女優へのエロい演出など、疲れる…。 今作自体は、十数年後に見たら「当時の日本ってこんなだったのか…」となんとなくわかった気になれるような、それぐらい2000年~2010年代のトラウマ観が反映されていると思う。(デフォルメされているけども) そう言った意味では、ある程度の意義はあるかなぁ…と。 あとは二階堂ちゃんかなー。ドラマで彼女の演技に惚れたが、今作はまだ初々しいが力のある彼女が見られる。彼女も満島のようになるのかな? 楽しみ。 ヒミズは原作を読んでいるが、原作の雰囲気とは良くも悪くも違った、自分は原作の方が好きかなー |
10.メッセージ性たっぷりな作品。「茶沢さんよ、何故そこまで?」と再三思いましたが、彼女の最後のセリフでこの作品の伝えたい事が理解できました。作中ほとんどが不幸の連続なので、見る方もかなりヘビーですね。 【tonao】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-03-09 17:47:55) |
9.変人ばかりの見事な古谷ワールド。変人すぎてついていけませんでした。 【真尋】さん [ブルーレイ(邦画)] 4点(2012-11-21 13:38:11) |
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8.セリフの感じが演劇的な映画でした。演劇はあまり好きじゃないので、これもあまり好みじゃないです。 【紫電】さん [ブルーレイ(邦画)] 4点(2012-08-07 21:41:45) |
7.園監督の同年製作の他作品、恋の罪に比べて こちらヒミズ、その宣伝ポスターやDVDパッケージのイメージから、見たいという衝動には一切駆られず このままずっとスルーしようかなって思ってたんですが、ぼちぼち増えてきた他人様のレビュー内容をもとにちょっと心が揺らいでしまってご鑑賞。 結果は・・・ 結果オーライ。でんでんオーライ。哲オーライ。 恋の罪よりはるかに面白かった。冷たい熱帯魚に似た感じでしたね。 ろくな親いない、兄弟いない、友達いない、そんな殺伐とした環境ながらも日々生き抜く主演の中学生の彼はたくましい。ただし、残念なのは時折女子に手をあげてしまうこと。女をぶってはいかんですよね いかなる時もさ。そこが彼の人物像としてマイナス点となってしまった ちょっと惜しい。 【3737】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-05 12:21:05) |
6.簡単に言うと、出てくるやつら皆頭おかしいし、やたら殴りまくる映画。暴力描写が苦手な人は要注意!しかし、この監督の他の映画を見たことがあり、且つ1つでも気に入ったのがある人なら見て損はなし!キャストが常連組総出演だし、物語もいつものように暗く救いがない。中学生が平気で殺人とか犯すし・・・。てっきりやくざのおっさんがボディを透明にするやり方を教えに来るんじゃないかとワクワクしていたんだが、さすがにそれはなかったか(笑) 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-02 05:40:16) |
5.本作は登場人物が叫びまくって、とにかくうるさい。メッセージの押し売りみたい。 「冷たい熱帯魚」みたいに、完全に異世界で狂った人がワーワーしてるのは楽しいんだけど・・・。 「園監督はリアルな世界を描くのが苦手なんじゃなかろうか。 震災要素もとりいれ、今回はリアル路線で行くのかなと思いきや、登場人物の叫びっぷりや、唐突に出てくるキ×ガイ達を観ると、「案外いつも通り」と思わされた。その結果、非常にバランスの悪さを感じた。 そんでもって、最終的にいい話みたいにまとめちゃうのも嫌。 地震を扱った以上、絶望だけで終われなくなっちゃったんだろうなぁ。 園さんには、難しい事考えず、吐きたくなるような無邪気で狂った映画を撮ってほしい。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-07-22 11:52:27) |
4.これはものすごく好みが分かれる映画だと思います。 園子温監督の作風を知らない方にはかなりキツいんじゃないでしょうか。 登場人物に「普通」の人はほとんどいません。 泥沼にはまり、ことあるごとにむせび、叫びまくる主人公の少年が最もまともと感じるほどです。 その中でもヒロインの女子中学生がかなりエキセントリックで、人によってはどん引きレベルだと思います。 展開もリアリティを追求しておらず、現実的に考えればありえないシーンに辟易してしまう人もいるかもしれません。 そして暴力、暴力、暴力。 この映画には人が殴られるシーンがとにかく多い。 これだけでこの映画が受け入れられない人もいるでしょう。 でもこの映画が自分は大好きです。 何より、この映画のメッセージはかなりストレートで、「どん詰まり」の人生を応援してくれるのです。 主人公の中学生が絶望したとき、彼を追い回すヒロインはなんと言ったのか。 その一言一言が胸に刺さります。 自分が流した涙に驚きました。 この映画で溢れたのは、「悲しい」とも、「嬉しい」とも違う、ひとことでは表現できない感情でした。 結末にも賛否はあると思いますが、自分はこの結末で、本当によかったと思います。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-27 01:39:44) |
3.染谷さん、いい顔。二階堂さんもよかった。窪塚洋介氏も良かった。もっと見たいと思った。園監督は、俳優がとても生きている感じがするのが好きです。この映画も、また更なる可能性を見ることができてよかった。 中学教師の時には批判的に描かれていたはずの「花」とか「頑張れ」が、最後に浴びせかけられる。力を持った言葉が、観ている側にもずしりと来る。絶望の底でうごめく住田君と、絶望に身を置きながら住田君を崇拝する茶沢さん。この二人を良く演じきったと思う。 見終わった後、私も一緒に「頑張れ、住田!」といいたくなる。うまくいえないけど、この今という時、愛する人に生きてほしい、という原始的な願いに、共感したのだとおもう。観てて辛いシーンも多いけど、観て良かった。 【しゃっくり】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-15 22:43:00) (良:1票) |
2.園は画面、音を埋め尽くす。そこにはまるで空白があって、それをぐちゃぐちゃに絵の具で塗りつぶしているかのようだ。隅田が顔を絵の具で塗るシーンは象徴的だ。気狂いピエロのように爆死せずに済んだのは、勿論裏切らなかった恋人が居るからだ。まるで中学生のようないわゆる「演技」や「言葉」はむしろ清清しい。このオーバーさはいつものことだが、それに巻き込まれるのはもはや心地よい。震災映像は必要ないが、沈みかけた廃屋は会心の画だろう。自慢するかのように何度も出てくる。前作「恋の罪」で示された「肉体を持つ言葉」というテーマがまた繰り返される。教師の空疎な言葉がラストに繰り返される。その言葉がやはり肉体を持つように聞こえるのは、人物の具体の極限まで迫ったからだろう。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-02-05 23:40:26) |
1.鑑賞してから1日、レビューのためにいろんな言葉を探したが、なかなか思いつかない。たしかに震災の映像に取って付けた感はあるし、園組の同じ顔ぶれで脇を固めるのに多少ウンザリなのは解る、でも観ている間は十分感動している自分がいたし、後味も悪くはなかった。 窪塚の演技は際立ってたし、なんと言っても主役2人の演技が素晴らしい、本当にボコボコに殴ってるんじゃないかと思える演出も、歩行者用の信号機が点滅から赤に変わる時、音をシンクロさせるなど本当にドキドキした。 「今病気なんだよ」と語りかける複数の人たちのそれぞれの気持ちが上手く伝わり、オッサンが「未来なんだよ」という台詞にもグッと来る。 しかし、短かすぎるんじゃないだろうか?この監督、通常のロードショー作品に向きにくい[愛のむきだし]ぐらい時間を十分使って良いと言われたらもっと良いものになった気がしてならない、感動しているのにまだ観たい気持ちが残ったまま映画が終わってしまう悔しさは何なのだろう、ものすごく不思議。 茶沢さんも十分厳しい状況なのに、住田をちゃんと迎えに行けたのだろうか?そのシーンは必要ないけど、暗示ぐらいは欲しかった。とても観る価値のある映画。 【カーヴ】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-01-25 10:25:53) |