1.前作はゲームを忠実に再現した世界観、未知のモンスターによる恐怖がしっかり描かれており、「ゲームの映画化」としてかなりの秀作でした。
しかし・・・今回の映画には「あんまりだ」ということばばかりが出てきます。
お話の方がいくらなんでもひどすぎるのです。
展開がご都合主義だわ話に矛盾点があるわ設定をセリフとしてしゃべりすぎだわ物語が薄っぺらすぎやら目も当てられません。
でも音楽とビジュアルは素晴らしいです。
音楽を手がけたのはゲーム版も手がけている山岡晃さんで、ときに物哀しく、ときに激しさを増す音楽はとても映画のシーンにマッチしています。
画作りも美しく、錆び付いた「闇の世界」の造形には一見の価値があります。
CGも惜しげも無く使われており、安っぽさを感じません。
そしてモンスターのアイディアも面白いです。
そのほとんどはゲームからのモンスターの出演ではありますが、独自のアイディアもあり、派手に動き回る怪物たちのアクションはかなり楽しめました。
また本作はPG12指定ですが、かなりグロテスクなシーンが多いのでR15+指定と思ったほうがいいです。
ちなみにゲームシリーズのほうも、今では海外に主導権を握られてしまい、売上もその評価も右肩下がりになってます。さらに「Silent Hill: Homecoming」が日本未発売になっていたりと、シリーズの存続自体が危ぶまれているのです。
この時期に公開される映画版の出来がこれでは・・・なんとも不遇なシリーズです。
トータルではお話のほうがあんまりな出来なので、全くもっておすすめできません。
どこか荘厳な雰囲気があった前作と比して、ただのおばけ屋敷型ホラーになってしまったのは残念です。
まあ、観ている間はめっちゃ楽しかったんですけど・・・
展開の無茶さを楽しめるC級ホラー映画ファンにとってはむしろ必見かもしれません。
ラストバトルの意味不明さは失笑を通り越して爆笑モンでしたから。