1.運転席と助手席での対話が多く、その深度のない構図の反復も単調。
ならば、流れる背景だとか車内に入射する街燈の光などで画面に変化をつけて欲しい。
クライマックスの発電所廃屋も、三者それぞれの位置関係の提示が不出来。
音の反響で繋ぐなり、縦構図を利用するなり、現場機具をもっと活用するなり、
もう少し空間を活かして欲しい。
湯気に煙るプールでの乱闘も、『イースタン・プロミス』の後ではいささか物足りない。
が、数々のアクションをこなしてきたシルヴェスター・スタローンの
武骨で年季の入った面構えと、彼の発する低音の響きは非常に渋く印象深い。
『スペシャリスト』以上に、彼の声の魅力がよく引き出されている。