1.タイトルを見て西部劇かと思いきや、さにあらず。はたまた、冒頭の大臣暗殺のくだりなどを見て、社会の暗部を描いた社会派っぽい作品かと思いきや、さにあらず。いたってエンターテインメント路線のアクション映画でした。とは言え、作品の背景にそういうテーマを潜ませたことで、ある種の苦味を感じさせる映画にはなってます。
冒頭で「狙う立場」だった主人公が、いきなり「狙われる立場」になって、上々の滑り出しではあるけれど中盤はやや息切れ気味。でも、バルセロナ等を舞台にしたロケーションの上手さとか、一軒家に襲いくる敵集団との攻防戦とか、タンクの水の反射光の中での対決とか、あるいは脇役たちの存在感とか、そういった魅力でもって、最後まで押し切ってしまう。実際、あのほとんど放送事故みたいな闘牛場の断末魔まで、しっかりと押きられてしまいました。
悪くないんじゃないですか、ねえ。