3.フィンランド映画はアキ・カウリスマキだけでは無いんです・・・にも程がある、という映画。
寡黙なジジイが、ナチスの小部隊と淡々と戦い続ける、本当にそれだけのオハナシで、章立ての構成(各章にタイトルあり)になっているのが、なんだかコミック調、劇画調。いや、単に私がゴルゴ13を思い起こしただけなんですけれども。しかし何だか、タランティーノあたりに気をつかった構成のようにも思われて、そういうの、ヤだなあ。いいけど、なんかヤだ。でもまあ、いいか。
繰り広げられるのはひたすら荒唐無稽な戦いで、でもそれを大真面目に映像化している。ジジイひとりで強敵に立ち向かう設定なもんで、意表をつく攻撃も登場すれば、「そんな攻撃に耐えられる訳ないやろ」という攻撃にもしっかり耐えてみせる(そしてそれをしっかり映像で見せつける)意外性もあって、いや、なかなかの楽しさ。
ただ、飛行機のくだりはさすがに荒唐無稽にもほどがあり、真面目が取柄だった作品が、一気に不真面目になっちゃった。これは残念。
はっきり言って、主人公のジジイについては、「不死身の(またはそれに準ずるほどの)強さ」という以外、何もわからない存在なので、大して興味も湧かず、この人がいつ死のうがどうでもよくなってきて、唯一の心配は「もしもこの人が途中で死んだら、映画が途中で終わってしまう…」という程度のもの。それとて、映画が途中で終わる訳がないので、ますます主人公に興味が持てない。でも、「ヒールの魅力」って、そういうもんですよね。勧善懲悪とかではなくって、ヒールvsヒールの闘い。
これは、デスマッチ、なのです。
で、そういう作品がなぜか、フィンランド映画。ってことなのですが、確かにというか何と言うか、広がる荒野はの映像はいかにも北欧っぽく、アメリカ映画には無い独特の雰囲気を感じさせます。こういうのも魅力。
一応、夜のシーンもあれば昼のシーンもあるようですが、全体的に夜明けとも夕暮れともつかない薄明の雰囲気が漂っていて、こういうのも北欧らしさ、ですかね。独特の味わいがあります。