6.これは何とも、楽しい愉しい映画ですね。アメリカのとある島の近くでソ連の潜水艦が座礁し、乗組員の一部が島に上陸してきたことから巻き起こる騒動。ホームドラマの世界に突然、ソ連兵が闖入してきて、それでもホームドラマのノリが続いていくという、噛み合わない面白さ。はたまた、そもそも潜水艦の艦長のヘンテコリンな言動が騒動の原因なら、島の住人もそれに劣らずヘンテコな連中だらけ、なもんで、騒動が連鎖反応的に広がっていく、“転がり出したら止まらない”面白さ。で、一連の騒動を通じて、冷戦構造への皮肉、「個人レベルであれば、人間同士、誰でも互いに仲良くしたい、理解し合いたい、できれば争いたくない、と思っており、またそれが実現もできるのに、国同士の関係になるとどーして無意味に敵対するのか」という風刺が描かれてもいて。こりゃま、いささか素朴に過ぎる主張ではありますが、しかし脚本のうまさと、俳優たちの誇張された演技が、この風刺を受け入れやすいものとしております。ラストなんぞ、「何やねんこのアホみたいな“エエ話”ぶりは」と呆れかねないところですが、「ま、愉しいからいいか。コメディだもんね」と、(一応)納得しちゃう。でまあ、この映画、何が面白かったって、主人公の作家が、ソ連兵に振り回される一方で、家族にも振り回されちゃうところ。非日常と日常のせめぎ合いが誇張された面白さ、ですが、特に息子の言うことに振り回された挙句「育て方を間違えたか?」なんて言い出すのが、傍目に見れば「そんな事言ってる状況じゃないでしょ」となる訳ですが、一方で父親の立場からすれば妙に切実でもあります。そしてまた、“個人同士は仲良くできるはずなのに国同士はなぜ仲良くできないのか”という点にもこれはつながっていて(家族=ミニ国家)、要するに国家ってのは、こういう内部の不満、内部からの突き上げを常に抱えているわけですね。それを抱えながら国家自身をどうやって維持するか、それが国家の関心事。個人同士がナゼ互いに仲良くし理解し合いたいと考えるのか、それは、それが自分を維持し守っていくための手っ取り早い方法であるから(もたれ合いの構図)。国家同士にはこの関係は当てはまらない。そんな素朴ではいられない。現に、主人公が、そして島の住人が、トチ狂っていったように。という訳でこの映画、実は一筋縄ではいかぬオハナシかもしれんなーと思った次第。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-04 00:32:39) |
5.特殊状況を逆手にとって笑いを醸し出す前半の雰囲気はなかなかなのですが・・・中盤以降、話の収拾がつかなくなって、全然違う方向に着地してしまいましたね。場面を限定してもっと勝負してほしいところでした。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-07-25 23:38:55) |
4.ハリウッドの監督さんってお正月に公開できるような映画を演出するかと思えば小品だけど心に残る映画を撮るものです。どちらの作品がその作家の本質なのでしょうか。この愛すべき映画を六泊七日200円レベルのビデオになっているレタルビデオ店でお暇のときに是非。ノーマン ジェイスンはこんな映画も演出しているのです。 【あきちゃん】さん 8点(2003-03-04 21:17:42) |
3. ノーマン・ジュイソン監督が当時の東西冷戦を皮肉った戦争コメディ。ロブ・ライナーの父っつぁん、カール・ライナーの寒~いコメディ演技は必見!これがデビューとなったジョン・フィリップ・ローの青い目が何とも印象的。何気なくエヴァ・マリー・セイントも出演。ま、余り笑えないのは事実だけど、後味は悪くないから良しとしよう。 【へちょちょ】さん 6点(2003-01-27 03:50:01) |
2.力を合わせて子供を救ったソ連潜水艦を救うためにアメリカ人達が空軍からの攻撃を自分達を盾にして脱出させるラストは爽やか。見た後に心地よさが残るコメディ。 【権蔵】さん 7点(2002-11-26 11:47:40) |
1.ちょっとロシアをバカにしてないかい?いや、ブラックコメディだからこれでいいのかな。でもあんまり笑えなかった。 【あろえりーな】さん 5点(2002-01-21 04:58:37) |