2.これはホークスの他のコメディに比して、ソフトな展開であります。やはりワイルダーの原作、脚本であることがその原因でしょうね。ストーリィは白雪姫をモチーフに作られています。世間知らずの純な教授8人の元に現る美女1人。この美女スタンウィックが“火の玉”でして、平穏なる彼らの日常がホットに動き出します。そしてプリテンダーがいつしか本物になってしまうというプロットはワイルダータッチそのもの。しかしクーパー演じる教授が周りの教授たちの祝福を受けながら恋を盛りたてられていく様は、男の友情を描いたホークスタッチといえましょうか。かのトーランドを要したキャメラは、パンフォーカスによる教授陣の一体感を巧く表現しておりますね。それから「妻の証言は無効である」というアイデア。というと『情婦』を思い出しますが、クリスティの「検察側の証人」が発表されるのはこの作品のもっと後ですから、この時点からワイルダーがこのアイデアを暖めていたことに感心させられましたです。しかし当然ながらスラングいっぱいのこの作品、日本語字幕の作成にはさぞやご苦労なされたでしょうねー。さーみんなでコンガを踊りましょう。