20.全編にわたって強烈な色彩感覚の映像で、赤いというか紅い映像が強く印象に残っているけど、よく考えるとそんなシーンはそれほど多いわけではなかったです。でもチャン・イーモウには“コン・リーのイメージカラーは紅”という拘りがあったんでしょう。『初恋のきた道』ではイエローがやはり印象に残ってますし、チャン・イーモウはチャン・ツィイーとコン・リーという彼の二大ミューズを撮るときにはイメージカラーを意識していたんでしょうね。 原作はノーベル賞を貰った“中国のガルシア=マルケス”モー・イェンの小説ですから、いわゆるマジックリアリズムの世界が爆発したような映画だと言えます。だから後半に登場する日本軍は、モー・イェンのファンタジーには必須の要素だったと言えます。モー・イェンもチャン・イーモウも共産党には従順ですから、党が期待する抗日要素をぬかりなく盛り込みました、って感じです。ですからこの映画での日本軍の描かれ方については、そんなに肩に力を入れて観ることはないと思います。歴史をネタにファンタジー映画を撮ったくせに、それがノンフィクションだと観客が誤解することを期待するようなどこかのお国の大作とは、本作はレベルが違うんですよ。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-30 21:10:08) |
19. 映像美は「黄色い大地」にかなり影響されているように思います。 でも、脚本、構成は足元にも及ばず、もうメチャクチャ。 オシッコ入った酒が銘酒になるなんて……毒入り餃子が出回る理由が何となくわかる気がします。中国産のお酒はもう飲めません。 でも、この監督が後にコン・リーと共にハリウッドまで進出するなんて、当時じゃ誰も予測できなかったでしょう。 チャン・イーモウ作品を追いかけている人にとっては最後に観る作品です。 因みにレンタルする時、絶対にジャケットを見ないで下さい。これは反則です。ジャケットがネタバレになっています。 【クロエ】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-10-27 01:11:48) |
18.私がこの映画を観終わって館内が明るくなったときのこと。一人の5~60代?の中国人男性の観客がスクリーン前に立ち、作品中の歌を叫ぶように大声を張り上げて歌い始めました。驚いたと同時に映画の世界をちょっとだけ生々しく感じて少し感動しました。/この映画に反日洗脳映画的な側面があるのは間違いないでしょう。制作当時、中国ではおそらく日本をこんなふうにしか描くことができなかったのでしょう(今でもあまり変わらないかもしれませんが)。本作の背景には、体制維持のため反日を利用しているような、思想信条・表現の自由の保障に問題がある非民主的な政治体制というものがあります。しかし、そうした相手側の歪んだ状況、さらにはこの映画のような非道な行いが実際にあったか否かということなどはともかく、少なくとも過去我が国が中国を侵略したという事実があり、およそ少なからず過去の日本は国際的にこんなふうに見られている(本作がベルリンで金熊賞を獲ったことから推して知るべしでは?。)ということは本作を観て認識すべきなのでは?と思います。/政治性はともかく本作は見事に芸術的に感じられました。ちょっとした衝撃さえありました。目に焼きつくような鮮烈な色彩で躍動感あふれるストーリーを展開させたこんな映画を作れる人々の国とは仲良くしたいと思ったもんです。 【しったか偽善者】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-09 00:55:24) |
17.チャン・イーモウ監督の監督第1作は、最初の作品からしてその映像美、赤をモチーフにした映像に監督ならではの拘りを感じることが出来ます。この映画のコン・リーの美しさ、表情なんて、どことなく山口百恵に似ていると思うけど、私だけかなあ?そんなコン・リーの母親に対して叫ぶ子供の姿があまりにも哀しい。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-18 18:07:12) |
16.そんなにいい作品とは思えなかったが、コン・リーは魅力的であった。 確かに紅色は印象的。 そして、イジメの歌のメロディも印象的だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-13 00:18:20) |
15.野生のコーリャンが画面いっぱいに映される様は圧巻。広大なコーリャン畑をアップで撮るだけなら誰でもできるだろうが、強い風と巧みな光をもって映し出されるその様はまさに野生の強さを、自然の驚異を雄雄しく表現していて、さすがは撮影監督出身というだけのことはあると感嘆する。そして強さの象徴のように映されたからこそ、あっけなく平らに均されてゆくシーンの無残さもまた最大の効果をもって目に飛び込んでくる。ただしこれだけ印象的な画面を撮りながらもストーリーもそれ以上の大きな顔をして前に前に出ようとする。前半は画面が勝っているが後半はドラマが勝っている。ラストはスローモーションでドラマを際立たせる。不満である。芸術映画と商業映画のせめぎあい。芸術の中に商業的価値があり商業の中に芸術的価値があればそれでいいのだから、どっちがいいとか言っているわけではない。私にとってはこれらがうまく融合しているようには見えなかったというだけのこと。前半は本当に凄いんだけどなぁ。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-13 11:41:56) |
14.ストーリーを細かく見出すとわけがわからなくなるのだが、そんなことはどうでもいいと言わんばかりに中国の大地とコーリャン畑、それとよくわからない乾杯の歌(?)だけで押し切ってしまうパワーが凄い。こういう原始的衝動は、内容がどうであれ、嫌いではありません。しかし、コン・リーの登場場面はやっぱり少なく、もう少し見たかったな。 【Olias】さん [地上波(字幕)] 6点(2006-08-11 02:34:25) |
13.大胆な構図で大地デカデカと映すのがとても印象的、カラーリングも近頃の作品は少々洗練されすぎで、この頃作品の方がギラギラとした野性味、パワーやアクの強さが印象的で良い。物語は日本兵が出てきた瞬間ゲンナリ。単なる共産党プロパガンダになってしまう。ここは私的にはどうしても譲れないところなので大減点。 【亜流派 十五郎】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2005-05-27 22:39:19) |
12.紅は心の叫びなのか、生きる力があふれていた。それは愛にしろ、怒りにしろ、強く生きている証の色なんだと思った。 【にゅうたいぷ】さん 7点(2005-03-15 16:00:35) |
11.中盤までは、これは中国版「風と共に去りぬ」になるのか、といった予感がしたものの、日本軍が余りにもあっさりと物語を終わらせてしまったので相当拍子抜けしました。孫が語る自分の祖父母の物語というスタイルだったのに、何故かそれが最後まで続かないのもしっくりこない。従って本作は、構成や脚本的には大した映画じゃないと思う。本作を本作たらしめているのは、中国の圧倒的な大地と、鞏俐(何と、歯並び悪いじゃん!)の母性的な生命力と、張藝謀の過剰な色彩設計。お二人共にデヴュー作ということですけど、インパクトだけは相当なものがありました、6点献上。 【sayzin】さん 6点(2004-09-14 23:13:41) |
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10.初めて見たとき、触れることが出来そうなくらい生々しい色彩に圧倒され衝撃を受けたのを覚えています。日本兵のしゃべる言葉は、彼らにはああいうふうに聞こえるんだなー、と妙に納得してしまった。 【あさ】さん 8点(2004-02-26 14:58:42) |
9.映像は衝撃的ですが、ストーリーは‥‥‥ 監督の演出力はともかくとして、シナリオにおいては、中国はまだまだです。 【伊達邦彦】さん 3点(2004-02-23 16:57:30) |
【zero828】さん 10点(2004-02-23 01:49:17) |
7.壮絶な映画ですね。最後の日本軍へ特攻していくシーンが凄く熱が篭っていて手に汗握りました。前半のちょっとおどけた雰囲気から後半一気に変化するので驚きます。日本人が単純な言葉しか話せないのは、しょうがないことなんですが、ちょっと興ざめ。今でも中国の田舎では「バカ」と「メシメシ」(訛ってミシミシに聞こえる)という日本語は浸透しています。中国で言葉が通じないと思って「バカ!」なんて言ったら大変なことになるので注意です。(関係ない) 【fero】さん 7点(2003-12-13 13:20:35) |
6.初めて見た時この映像はちょっと衝撃だったです。しかしその後のチャン・イーモウは何作か見たけど、あまりピンとこなかったな。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2003-12-02 15:29:57) |
5.赤の色彩が強烈な印象。情熱的なその色は過酷な時代の、過酷な人生を生きた一人の女性の心のうちの強さ・たくましさを現しているかのようだった。コン・リーと野性的なチアン・ウエンの存在感が大きい。 【キリコ】さん 7点(2003-11-19 16:32:57) |
4.熱い映画です。チャン・イーモウの映画はこういうほうが好きです。 【omut】さん 6点(2003-08-06 01:04:10) |
3.映画を創るという情念が、その天性の技巧や、計算をはるかに超えて画面にみなぎるという処女作ならばこその迫力に圧倒される。無いものねだりをしてはいけないが、この圧倒的な力を今のチャン・イーモウにもまた見せてもらいたい。 【るーす】さん 9点(2003-05-14 18:19:07) |
2.やっぱり日本兵の役は日本人にやってもらわんとなあ。肝心なとこでずっこけてしまいます。別にこの映画に限った話ではないけど・・・ 【鱗歌】さん 5点(2003-04-30 23:00:36) |
1.冒頭からおそらく映画でしか表現しえない人間の情熱とそのエネルギーのほとばしりを痛切に感じさせる、まさに衝撃的な傑作だ。その色彩感覚と計算され尽くした画面の構成の見事さは、ほとんど前例がないほど鮮烈である。とりわけ悠久の大地の広がるコーリャン畑や、中国の荒々しい風土といった自然描写。その中で展開される生々しい人間ドラマとが一体感を伴って、官能的かつ詩情豊かに描かれていく。コーリャン畑を潰して道路を造る日本軍に相対する抗日中国人といった、苛酷な試練を乗り越え歴史を築き上げていった名も無い人々の、この情熱と闘いのドラマは、言葉よりも映像そのものが雄弁に物語っているところに価値がある。 【ドラえもん】さん 9点(2003-02-08 23:24:53) (良:1票) |