30.実は期待していなかったが、間違いなく名作。 「人が争う時は、どちらも正しい」。この時代特有ではなく普遍的なテーマだが、現代でこういった作品を作る場合、複雑になり過ぎる可能性が高い。 人生、分かっているようで、でも行動は違っている。破滅的な方向に向かう時も意識はあるが止められない。 何故に生きにくいのか。幸せにしようとして、幸せになろうとして、でも直接的な表現は出来ない、どうしても。 子供は、未来は救いになるのだろうか...いや、幻想だろう。時代は形を変えて繰り返す。 あと、シルヴァ・コシナは美しい。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2020-02-11 21:59:32) |
29.モノクロの単調な画面にも拘らず豊かな色彩のイメージが膨らむ映画でした。一昔前の家族の有様を考えると、欧米の中でもアングロサクソンとは一味違うイタリアに親近感を覚えます。そういえば古代ローマは多神教国家であり公衆浴場もいたるところにあったそうですね。さり気ない感動シーンが随所に見られるいい作品でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-22 21:06:03) (良:1票) |
28.ピエトロ・ジェルミ監督・主演のホームドラマは、古い時代のイタリアの情緒が盛られる。 鉄道員としては優秀ながらワンマンな父に反目する姉と兄、ばかりか姉夫婦の不和など気苦労がたえない母と末っ子の弟。 小さなほころびが大きく裂けていく様はやるせない。 空気を読みとるサンドリーノは環境がそうさせたのだけれど、小さい体に聡い目をして大人たちの間をさまよう。 スト破りもからんだ仕事仲間との軋轢と修復も描かれ、一本気なマルコッチを気づかう同僚リベラーニの大らかな情は得がたいもの。 心境の変化がもたらす展開は「素晴らしき哉、人生!」も思いおよび、ラストの違いはアメリカとイタリアのお国柄だろうけれど、クリスマスの改心ものとしてあちらに劣るものではないと思うので。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-05 07:00:03) (良:1票) |
【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 7点(2012-07-17 21:31:56) |
26.鉄道員をしている父親と、その一家の日常生活を描いた作品。 古いイタリア映画というのは、昔の日本に相通ずるものがあるようで違和感を感じさせない。 監督兼主演のピエトロ・ジェルミの頑固親父はまさにハマリ役。純粋でかわいい末っ子が、 家族間の橋渡し的な役割になっているのがリアル。個々の人物描写がしっかりと描かれている。 ストーリー自体は粗がない代わりに、ドラマチックな展開も見受けられない。 一家の描写を中心に物語は淡々と進み、徹底的なリアリズムを追求した仕上がり。 ベタな演出はいっさいないので、頑固親父の家族に対する思いが如何に伝わるかが、 この映画を鑑賞するうえでのポイントとなる。こんな不器用な親父、昔はたくさんいたんだけど。 近頃頑固親父が少なくなったとお嘆きの貴兄に。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-10-26 11:54:13) (良:1票) |
25.高校の時、音楽好きの友人がギターで弾いていたのが、この鉄道員のテーマ曲だった。悲しくも美しい旋律に私は心を奪われ、クラシックギターや映画音楽に興味を抱くきっかけとなった。 カルロ・ルスティケリの映画音楽は本当にすばらしい。「鉄道員」「ブーベの恋人」「刑事」「イタリア式離婚協奏曲」「誘惑されて棄てられて」などの名曲を次々とレコードで聴いていった。 そしてようやく見た映画、テーマ曲が聴けるだけで満足くらいの気持ちで見たが、映画ももちろんすばらしかった。 この映画は、イタリア映画の良さを余すことなく醸し出しているし、ピエトロ・ジェルミの映画は、もっと評価されるべきだと思う。 ところでこういったイタリア映画には、必ずといってよいくらい、かわいい純粋な男の子が出てくるような気がする。 【ESPERANZA】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2011-03-13 22:50:05) (良:1票) |
24.昔のイタリアの作品ですがまるで現代の日本の家庭を見ているかのようです。 【akila】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-28 01:59:14) (良:1票) |
23.既に大人になった姉、兄とは随分年が離れた幼い末っ子の少年の目線で見つめた、どこにでもありそうな家族の崩壊と再生の物語。よくある設定のホームドラマではありますが、その人物描写が素晴らしいです。 家族の心が離れ離れになっていく前半から中盤、重い雰囲気も漂いますが、微笑ましさやユーモアを感じさせる末っ子の言動、父、そして優しい母や姉と末っ子との触れ合い、鉄道員の父の仕事仲間であり親友の独身男の存在や行きつけの酒場の常連客達の生き生きとした描写が心を和ませてくれます。 僕はイタリアの庶民やその家族の物語を描いたドラマが好きなのですが、それは人生には辛い時期もありますが、そんな中に派手さは無いですがイタリア映画が見せてくれる人間臭さや可笑しさやあたたかさがとても好きなんです。ですが何故か本作はずっと見落としていた作品でした。それを映画館で見る事が出来た。ありがとう、午前十時の映画祭。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-06-29 15:13:02) (良:2票) |
22. 冒頭でお父さんが同僚をからかった時、横で爆笑している少年の顔が最高ですね。 私は他のレビュアーと違って、この時代に作られたイタリアのホームドラマは限りなく昭和のホームドラマに似ていると思います。 ただ一つ違うことは、日本のドラマは母親主体の所謂「母性愛」をテーマにしたものが多いのですが、イタリアは父を尊敬する息子という設定が主になっているものが多く感じます。もちろん例外も多々ありますが……。 父の尊厳は父親自身が固辞するものではなく、その家族全員が認めるもの。この時代のイタリア映画の多くにそれを感じます。 こんなお父さんだったら、ちょっとくらい酒飲みだろうと私は簡単に尊敬しちゃいます。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-04 21:32:28) (良:1票) |
21.イタリア人と日本人って明らかに気質が違う民族ですよね。お国柄基本的に楽天的で陽気なイタリア人、シャイでわりかし静かな日本人といったイメージ。無論近年は必ずしもそうでもないかもしれませんが・・・。なんとなしに、この映画が日本人の琴線の深い部分に触れてくるというのは、この頃両国ともに第二次大戦敗戦の痛手からようやく立ち直りつつある時代に製作された映画だったからなのかなって考えてしまうんです。私はストレートな家族モノのは大の苦手なんですがこの映画は別。憂愁漂うテーマ曲とともに忘れられないモノクロ映画秀作の一つ。(25年前「TBS名作洋画ノーカット10週」にて鑑賞→) 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(字幕)] 8点(2009-07-06 11:20:33) (良:1票) |
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20.4回目の観賞か? 親子の情愛溢れる作品。テーマ音楽と子供が忘れられない。またコシナのグラマラスな容姿も・・。でも少し暗い一面がある。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-11 20:10:00) |
19.ずーっと子供目線で描かれているので、非常に分かりやすいです。アンドレア父さんの頑固さ、ジュリア姉さんの弱さ、大人の事情をサンドロが子供なりに気遣う姿がいじらしい。特にあの、人や車に石をぶつけるシーンが印象的でした。たとえ家族がバラバラになっても、絆がつながっていれば、いつかきっと元に戻る。鉄道しかないアンドレア父さんの生き様をみて、マルチェロ兄さんのように、サンドロもきっと大きくなっていくんでしょう。どこにでもある、ありふれた家庭の話なんだけど、胸を動かされずにはいられませんでした。作中でも、ストライキの話が出ていましたけど、そういうときだからこそ、家族が支え合うんだ、ということを言いたかったんだと思いました。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-10-16 20:54:29) (良:1票) |
18.この映画を観て思うのはイタリア映画ほど家族を描くのが上手い国はないと思う。何しろ出てくる人物が皆、人間的で心温かく、観ていて心の底から感動出来るのが素晴らしいです。それにしてもこの映画の子役の上手さ、一度、観ただけでいつまでも心に残るぐらいです。私はこの映画、何度か観ているけど、やはり名作だと観る度に感動する自分がいます。 【青観】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-06-04 17:14:23) (良:1票) |
17.★泣いちゃうよ。母親にあんな事を言われても、十歳くらいの子供はどうしていいのか分からないよ。そんなシーンを見せられたら、もう悲しくて悲しくて、見ているこっちは泣くしかない。 ★正直、鉄道員の父親の栄枯も、最後の展開も、僕にはどうでもいい事だった。僕には上のシーンがこの映画のほぼ全てだった。 【flyhigh】さん 9点(2005-02-13 22:43:13) |
16.やっぱこれ名作なんですね~イイ映画でした。モノクロであろうが、イイ映画に古さとかないんやな~って思いました。心暖まるありがちなストーリですが、卒なくいい感じでストーリーにも入っていけるし。シンプルなイイ映画でした。 |
15.この映画の家族、すごくありそうな家庭です。それ故共感する所も多い。よかれと思ってやった事が悪い結果を呼ぶ。軌道修正できないままにどんどんと別の方向に走り続けた列車はいつしか本来の場所から遠く離れてしまう。そんな大人の意地の張り合いを幼い少年の純真で素直な目を通して見せることによって優しく戒めています。色んなものを得て、失って、それでも人生は続いて行く。優しくて美しいラストに涙。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2005-01-21 12:55:16) (良:2票) |
14.一般的な鉄道員一家の、それぞれの生活の機微を真摯に描いた名作ホームドラマ。酒好きだけど、仕事熱心で陽気で、でも頑固な父親。貧しさをやりくりし、家族全員に優しい母親。只今自分探し真っ最中のフラフラした長男。昔気質の厳格さに嫌気が差している長女。そして、家族全員のことが心から大好きな幼い弟。多くの方が指摘されてる様に、ここには日本のホームドラマに通じる多くのものがあります。ま、今現在、この日本に一般的な家庭ってものがあるのかさえ怪しいので、今の人が観てどう感じるかは判りませんけど…。それでも観て損は無いと思います、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2005-01-11 01:09:19) (良:1票) |
13.チャオ~。といった軽い感じで始めるには合わないかもしれませんが、この作品は素晴らしいといっチャオ~。出ている役者もみんな素晴らしい・・・。鉄道員という仕事への一途さが子供たちとの軋轢を生み出している様子、そしてストライキでも列車を動かすシーンから、鉄道員としての誇りがひしひしと伝わってきました。彼を理解する同僚のジジ、彼を尊敬する幼いサンドリノを周りに置くことで彼の苦悩や悲哀を浮き立たせています。このジジのアンドレアとの距離感がまたいいんです。突き放すところは突き放し、けっしてべったりではなくそれでいて共に鉄道員として同じ機関車で育んできた友情を感じさせる・・・いいですね~。そしてアンドレアが目が合ってしまったという線路内の男、アンドレアはこの男の目の中にこの男の人生や家族といった背景が見えたのではないかな~。よってこれまで子供たちと真摯に向き合っていなかった自らの姿が見え、家族との接し方がより不器用になっていったのではないかと思うのです。クリスマスのラスト、ジジがみんなを招き賑やかなるアンドレア家のシーンは、その後みんなが帰り、妻と彼の二人の静かなる会話、それを一層静かに余韻を残すための伏線ではないでしょうか。ここでアンドレアが妻に漏らす「きれいだ」・・・ここで私はやられてしまいました。その一言にアンドレアの妻に対する想いがすべて詰まっているように聞こえたのです。マルチェロとサンドリノを見送る母、けっして微笑みを浮かべないその表情、その余韻にしばし浸らせていただきました。♪線路は続く~よど~こまでも、野を越え山越え谷越えて・・・人生をいろいろ越えるとあんな表情になるのでしょう、きっと・・・。 【彦馬】さん 10点(2004-10-19 23:20:10) (良:3票) |
12.前半の暗い一家の様子は僕の心をとことん悲しくさせ、本当に胸がはり裂けそうだった。しかしそれとは対称的に、酒場での男達の笑い声や歌声は、心を驚く程明るくさせ、いつまでも頭の中で流れ続け、響いていた。なぜこんなにも対称的な演出をするのだろう。もしかするとこれは演出ではなく実際にイタリア人というのはこういう人種なのだろうか。よくわからない。でも、観賞後のあの清々しい気持ちはすごく好き。それに最後のサンドリの笑顔も。 【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-09-16 23:04:19) (良:1票) |
11.私のような者がどうのこうの言ってもしょうがない素晴らしい映画です。例えば・・・ DVDを買って、手元に置いといて、観たい時に時々見る・・・、 そういったことが何故かこの映画についてはできません。年に1度あるかないかのテレビ放映を見つけて、その日は一切用事を入れず、録画もせず、そして放送時にかぶりつきで観る。そこまでして観たい映画です。 【メロメロ】さん [地上波(吹替)] 10点(2004-07-09 01:43:15) |