18.いやー、面白かったです。誰が悪いわけでもないのに、裏目裏目が出てしまう。こんなところが人生の上手くいかないところを如実に表現できていて、見終わったあとに、面白かったと感心させられました。倍賞千恵子はどんなやくでも、上手いですね。もう、モロハマってました。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-10-15 12:08:34) |
17.昭和は遠くなったなあという感じ。子ども達を精一杯育てた源三じいさんがお荷物になる件は、観ていて心が痛む。お金への執着心や、あっけない死も含めとてもリアルに感じた。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-16 12:48:31) |
16.共感する部分もそれなりにありましたが、高度成長の時代背景なのかドキュメンタリー風の描写のせいか、あわただしさが印象に残る映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-08-13 18:38:24) |
15.もう40年も前の映画。人の絆という言葉はあっても当時とはやはり違う。 すばらしい家族のロードムービーだと思う。笠智衆さんの唄う炭坑節がよかったな。 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-12-22 15:22:05) |
14.これはスタインベック/フォードの『怒りの葡萄』をはっきり意識した作品だと思う。とりわけ孫が上野で肉まんをもらったときのじいさんの反応のあたり。注目すべきは、あちらが最初から大不況下の物語だったのに対し、こちらは一応万博景気で沸いている日本を背景にしていること。その「好況下」と言われている真ん中で、しかも同時代に、このオデュッセイを描いた。けっきょく日本の戦後の好景気と言っても、その恩恵を受けたのは山陽線・東海道線沿いだけの話で、九州で失業した一家は、そこを跳び越えて北海道まで渡らなければならなかったわけだ。その北海道の酪農業の未来も、現在の私たちは知ってしまっている。車窓の風景が雄弁。東京までの工業活気と、東北本線になってからの農村風景。それは日本の美しい田園がかろうじて残っている風景でもあるわけだが、そういう「ディスカバリージャパン」的風景とは、つまり「取り残された」風景でもあったわけだ。西と東がくっきり分断されていることを車窓風景が語っていた。一家が到着したときのドアのとこでの虚脱した顔が重なる場が、本作で最も気合いが入っているカットだろう。ただその後がいけない。じいさんを死なせたことも含め、北海道の部分がせっかくドキュメンタリー的に積み上げてきたこれまでの成果を受け継いでくれてない。アタマだけで作られたような、薄ら声の労働讃歌に聞こえてしまう。こう描くのが実際の開拓労働者への礼儀だと思ってしまうところが、「東京のインテリ」の限界なのではないか、とつい意地悪く思ってしまう。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-03-27 10:22:09) (良:1票) |
13.喜びはもちろん、悲しみも分かち合い、一緒に乗り越えていく。それが家族なんだと思った。もう一点、山田洋次監督は1970年という時代をフィルムに残そうとした。1970年を覚えている世代には懐かしいだろうし、1970年を知らない世代には逆に新鮮。そういう価値も持つ映画ということで、貴重だし、面白かった。これが「遥かなる山の呼び声」に繋がっていくとは露知らず…。知ってて観たほうがもっと楽しめたはず、、勿体無いことをした。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-03-23 19:42:10) |
12.高度成長期の世相を背景に、ある家族の姿を描いたドラマ。山田洋次監督には珍しく、 人情シーンがほとんどないリアルな描写、ややドキュメントタッチ風の演出とともに、 厳しい現実という視点から家族の絆や在り方を描いていて、重苦しい展開ながらも見応えがある。 山田作品の常連俳優さんたちの安定度も抜群だし、個人的にはこういう作りのほうが好き。 日本縦断ロケを敢行したロードムービーということで、製作者側の熱意が伝わってくる逸品。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-03-19 06:06:08) |
11.高度成長期の陰で必死に生きていたであろう人々の生活感が赤裸々に現れていて、何だか自分が生まれた頃の親の苦労を追想するようで切なかった。そりゃ悲惨すぎてありえないだろう、と思うようなことが実際に起こりえた時代だったのだろう。全編を通じてひたすら地味で暗くて心休まらないエピソードばかりで、だんだん見ている方も辛くなってくるのだが、こういう時代に必死に生きた世代のおかげで今の豊かな日本があるのだろうとか、彼らの憧れた豊かな生活を当然のように享受して漫然と生きている私たちは豊かさと引き替えに失った物もあるのではないかとか、色々と考えさせられた。 【lady wolf】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-24 23:32:13) |
10.こういうロードムービーが観たかった!故郷と比較しなくてもドラマありすぎですね。そんな散々な思いをしてまで行くか!って突っ込めるところが最高なんです。 【アキラ】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-09-15 02:55:03) |
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9.そうか!この作品と「遙かなる山の呼び声」は繋がっているのか!!!てことはこの何年か後、ダンナは死ぬのか。切ないなあ・・・。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-07-18 20:48:49) |
8.九州から北海道へと移り住むある家族の物語を山田洋次監督らしい実に丁寧な語り口と描写で描いた秀作です。一見、重苦しい雰囲気の中に見える山田洋次監督ならではの人情味溢れるドラマを見ることが出来ます。寅さんシリーズの常連さん達が沢山、出てきてホット出来るのもこの作品の良い所です。出番はほんの僅かではあるけど、森川信さんと渥美清さん、この二人がここでも凄く良い味出していて良かった。現代の余りにもうるさくてCGだらけの映画ばかりが作られる中で山田洋次監督が描く世界は人間的で温かく、けしてCGなどでは出すことの出来ない優しさがあって観ていて癒されます。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-08 22:08:08) |
7.いい意味ですごく昭和臭い。年老いた気持ちになった。あのときの時代背景がドキュメンタリータッチで話が進み、今の時代しか見ていなかった自分にとって、「こんな時代もあったんだよなぁ」と家族のこと以外に映像とともにひとつの歴史も学べた。 【Syuhei】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-20 01:03:17) |
6.20年以上前に観た事があるのですが、本日衛生で再見。作品的にはちょっと切なくて、生と死の継続によって成り立っている家族(家系?)の絆というか、関係性について考えさせられる。前回観た時は役名を気にした事はなかったので気がつきませんでしたが、風見民子はこの10年後、「遥かなる山の呼び声」で、田島耕作と出会うんですねえ。「遥かなる山の呼び声」が人生で最も感動した作品である私にとって、風見民子が中標津に来るまでのエピソードとして考えると非常に感慨深いです。その後、ダンナも長男も死んでしまって、お腹の中の子が寅さん親子の吉岡秀隆なんでしょうか???で、一緒に青函連絡船で渡った渥美清は獣医になったの??? 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-05 23:48:17) (良:1票) |
5.家族というのは個人の集まりの言わば、団体行動である。個人には性格と個性があり、意見や考えは一人一人異なった物を持っている。だからそれが団体となった時、意見の食い違いや争いが起きるのは当り前と言えば当り前である。しかし、それがエスカレートし過ぎた状態は本当に悲惨な物になる。その状態というのがまさにこの映画の中にあった。まるでドキュメンタリーのような映像とストーリーには、常にリアルな悲しみが付き纏っていた。だから中盤では何度も観続けるのが辛くなり、何度も停止ボタンの上に親指を乗せて悩みながら観ていました。結局最後の最後までこの苦しみと悲しさは癒える事はなく、最後もやはり悲しみが胸の中に残ったまま終って行きました。しかし、観賞後は本当に考えさせられました。命とは?人間とは?そして家族とは?この映画は嘘や偽りなどない本当に現実的な家族を見せてくれた。この映画から学ぶ事は山ほどあるような気がします。そして将来自分が父親になった時、素直で家族想いの良き存在になれるよう努力したいと強く思いました。 【ボビー】さん 8点(2005-03-21 22:24:41) |
4.ジョンフォードの「怒りの葡萄」のような傑作。脚本には、簡単な状況だけが書いてあり、台詞は俳優が、その場でアドリブで考える。準備が出来てなくても、照明の準備が出来てなくても、場合によってはカメラを回すという非常に実験的な作品でもある。ロードムービーとしても出色。ラストを巡って「馬鹿みたいな終わりかただ」「甘い」「酪農の現実は、こんな楽観的なものではない」と批評家に、様々に批判されたらしいが、監督がもっとも堪えた批判は、舞台となった北海道の酪農家の人達にお礼の試写会をした時に酪農家の親父さん達に言われた「何故、お爺さん(笠智衆)を死なせたのか?赤ん坊が死ぬのは仕方が無いとしても、お爺さんまで死なせたのは、あまりに可愛そうだ。あのラストの雲ひとつない青空、北海道の、うららかな春を、あのお爺さんにも見せてやりたかった。あのお爺さんまで死なせたのは可愛そうだ」と言う言葉だったという。主要な人物を殺すと、確かにドラマチックになるので、つい作者は主人公や登場人物を死なせたい誘惑にかられるが、どんなに辛い物語でも、何とか死なせない努力をすべきではと、その時から考えるようになったという。セミドキュメンタリータッチの中で、プロの俳優、ズブの素人、みんないい演技をしている。前田吟もよかったなぁ・・・・・。 【ひろみつ】さん 10点(2003-12-27 11:44:49) |
3.20年以上前に見て痛く感動した記憶が有ります。日本人の情感をここまで淡々と表現できる山田洋次監督は凄いです。2003年現在となってしまっては山田監督と言えども描くことができない世界なのだろうか。 【かけ】さん 9点(2003-11-03 23:30:44) |
2.九州の炭坑の島から北海道の開拓村まで、家族が新生活を始めるために3000キロの旅をする。ある庶民の一家の日本縦断を通して炭坑不況、大阪では万博など、当時の日本の社会状況もよく分かる。苦しい旅・生活と楽ではないが家族の絆の賛歌、逞しく新生活を生きていくだろうというラストに監督の暖かい目を感じる。 【キリコ】さん 9点(2003-10-18 14:48:50) (良:1票) |
1.「男はつらいよ」シリーズの役者連他が、より現実的なシチュエーションで登場するロードムービー。「男はつらいよ」みたいにアイドルやわざとらしい善人ばかり出てくるなんてこともなく、それぞれのエピソードが自然な感じで、地味といえば地味だし、暗いといえば暗いんだけど、いい映画だった。初めて見たのが転校先の九州の中学校の講堂だったというのも、この映画を思い出深いものにしている。父(笠智衆)を引き取る余裕がなく、列車の窓から、もう生きて会えないであろう父に訣別の眼差しを向け、帰りの車の中で涙を拭う次男(前田吟)の姿に感動したのを覚えている。当時の九州・大阪・東京・北海道の雰囲気もよく出ていたと思う。 |