8.宗教的な関心が無い場合には映画として観るのはツライと思う。 それだけ、自然な描き方かもしれないが。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-30 18:55:19) |
7.有名なエピソードの連続で、キリスト伝入門としてはなかなかよいのではないでしょうか。「超人」としてのイエスと、平凡な人間である両親や弟子たち・民衆との対比がよく表れており、こうした表し方もうまいと思います。全般的にリアルな演出で、この映画においては聖書の内容が真実かどうかは、争う余地がないようです。音楽はバッハのようなクラシックだけでなく、ゴスペルなども使われていて面白い。特に最初と最後の"Gloria"が印象的でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-12-12 20:54:03) |
6.イエスの行動が当時の人たちの心にメチャクチャ響いたから今のキリスト教があると勝手に思い込んでいます。聖書は後付けの作為的な物語だと勝手に思い込んでいます。なのでそれを説明的にダラダラと見せられても、ただただ苦痛なだけでした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2017-09-22 22:24:47) |
5.「キリストもの映画」ってのは、あちらの「忠臣蔵」なんだな。観客は話をすっかり知ってて、それをどう料理するかが見せどころ。あの役は今度は誰が演じるんだろう、といったキャスティングの楽しみとか。だから量産されても、キリスト教徒用という枠が感じられて、異教徒にはちょっと疎外感があった。そういった中で、キリスト教と無縁の私でも楽しめたのが、『ジーザス・クライスト・スーパースター』と、これだった。ドキュメント・タッチで、素人の顔の力が画面にみなぎっている。サロメはいたいけな少女で、マグダラのマリアはおばさん。そして民衆の顔、顔、顔。当時を再現したって感じでもなく、髪形なんかは現代のまま。それがキリスト物語の普遍性を打ち出した。説法して回っているときの、通行人の薄ら笑いなどに、ゾクッとするほどのリアリティがある。無名の教団に対する「変な人たちね」という視線。こういう視点がハリウッド製のキリストものには欠けていた。処刑前に刑吏たちがたむろして食事してるあたりもリアル。人間キリストを出すより、彼の言葉に集中する。こんなにも説法に時間を割いたキリスト映画はなかった。イタリア語圏でない者は字幕を次々読まねばならないのでつらいところだが、新約聖書を改めて点検してる感じ。ユダもなんの解釈もせずに、おそらく聖書どおりにそのまま描いているのだろう。この監督の映画には、斜面がよく出てくる気がするのだが、とりわけ本作と『デカメロン』三部作で印象が強い。崖や斜面を民衆が上下し、それがタペストリーのようにも見えてくる。音楽はバッハあり、黒人霊歌の「時には母のない子のように」ありで、あとアフリカの民族音楽が生きる。とりわけ復活の場。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-05-08 12:01:52) (良:1票) |
4.モノクロ映像はとにかく美しい! だけど、それだけの映画。 特に、キリスト教に感心の無い人にとっては、辛い作品。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2007-09-09 23:21:13) |
3.【DADA】さんが触れておられる導入部について付け加えさせてください。マリアの緊張した面持ちが映され、ヨセフの微笑んだ顔が映され、それを見たマリアの顔が安堵の表情で満たされる。処女懐胎の困惑からすべてを受け入れる二人の愛をいとも簡単に映像だけで見せています。聖書にあるイエスの生涯の物語を描いていてもワンシーンワンシーンに見られる素人役者たちの豊かな表情と詩的な映像はけして物語に支配されずに物語を形成してゆく。映画の世界に入って間もないパゾリーニの非凡さが伺えます。そして無神論者パゾリーニゆえでしょうか、説教をするイエスのまるでキング牧師のような芯の強さとカリスマ性を持った人物像が従来のイエスのイメージを大きく変えています。多くの人をひきつける者として説得力があるし、画的にもインパクトがあって良かった。後のパゾリーニの作品を見れば、この作品もまた彼の思想がどこかに反映されているのだろうと想像できるが、そういう見方をせずとも映画的魅力をじゅうぶん楽しめる作品だと思う。 あ、そうそう、サロメの美しさと残酷さの同居が、より美しさと残酷さを相乗効果で増幅させていて他のどの作品のサロメ像よりもすばらしい!と思いました。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-22 15:41:34) |
2.キリスト映画はたくさんあるが、私にとっては本作がベストである。これはリアリズムなどではなく、ハードボイルド受難劇とでも言うべき物だろう。映像の歴史的考証にはあまりこだわらず、言いたいことを実にストレートに表現している。キリスト役にのっぺりした顔立ちのスペイン人俳優を起用し、角張った顔のイタリア人俳優たちとの異質感をだしているのも面白い。どちらかといえば静かな映画だが、惻々と迫るものがある。それからサロメ役の女の子がすごく可愛い(美しい!)。その踊りは「舞い」という言い方がふさわしい上品なもの。サロメが王女であって、踊り子ではなかったことを思い出させる。ラストシーンのキリストの表情が素晴らしい。実に見事なエンディング! 【トコトコ】さん 10点(2003-10-01 18:20:39) |
1.撮影のテキトーっぽさ加減では、ピンク・フラミンゴに負けてません。これぞへたウマ。妙な雰囲気が横溢してて見入ってしまいます。しかし、遠藤周作の描くキリスト像に親しみを覚える身としては、この映画にはどうしても、いかにも類型的でニガテなキリスト像という印象を持ってしまうんですが。ま、遠藤周作とはアプローチが違う以上、しょうがないんですけどね。 【鱗歌】さん 8点(2003-06-08 00:22:16) |