12.互いに理解し合えない男と女。 永遠のテーマとも言える題材を、卓抜な演出で描いたゴダール作品。 夫婦間の心の内の変化を軸に、ギリシャ神話「オデュッセイア」のオデュッセウス、ペネロピ夫妻のエピソードを絡め、アンニュイな雰囲気、美しい映像、独特の色彩感覚で仕上げています。 安直なラストだけは「?」だったけど、その他の見所は、妻役を演じるブリジット・バルドーの魅力。それ以外では、「メトロポリス」(1926)の映画監督、フリッツ・ラングが本人役で出演していたことに驚きました。 ドラマチックな展開はいっさいなし、絵画的、芸術的、前衛的な作品なので、この手の映画が苦手な方はご注意を。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-04-15 11:59:04) |
11.ゴダール作品の中では最も内容がわかり易い。 同じ男として、仕事を得る為には、時にプライドを捨てるのも 当然出てくる。しかし、女はそんな姿を見るに耐え難くなって行く。 本作は、そういった男女のすれ違いや葛藤を見事に描けている。 10年後、もう一度観返してみよう。 【ナラタージュ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-18 10:54:32) |
10.ゴダール自身がカリーナとの家庭生活を投影したという本作。 若くても渋いミシェル・ピッコリ。相変わらず美しい画面を作るクタール。 でもそれ以上に、とにかくバルドー演じる妻・カミーユの美しさに脱帽… バルドーのPVでも見ているような。 ただ、もっとラストが強くてもいいかな…という印象。 【せかいのこども】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-16 13:46:07) |
9.息を呑む美しさのブリジッドバルドーと海。エキセントリックとも思える色彩は何の意味があるのだろう。部屋を行ったり来たりするシーンが秀逸。ポールがゴダールの実生活だとしたら、彼は何と平凡な人なのだろう。ポールに始終いらいらしっ放しで、カミーユが愛想を尽かすのも分からなくもない。しかしこんな映画を撮るとは何という天才か。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-17 15:38:07) |
8.特にどうということもないやりとりを延々と引っ張っているようにしか感じられませんでした。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2010-08-20 00:03:50) |
7.6点ながら、ゴダール作品群の中では最も好きな作品。 BBの美しさに感動! 繰り返し、しつこく流れる音楽にも、不思議とひきこまれた。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-20 23:48:28) |
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6.コケットリーと愛の終わりを丁寧に描いた映画。 「もうあなたには心を動かされないの」と言われて追いすがる男は私も嫌いだ。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-07 14:51:45) |
5.昔はすべてが共犯の歓びの中で無意識に過ぎていった。何もかもが異常で魔法のような気軽さとともに起きた。 異常なまでに繰り返される主題曲は、もはや作品の言語世界に追随することを辞め、自らの見えざる主題を語り出しているかのようである。 気付かぬ内に彼の腕に抱かれていたあの感覚はまるでなかったかのように姿をなくす。 自室で繰り返される真意の読み取れない議論の末、直後の劇場での、ラングとカミーユ、ポールと製作者の座席の位置で愛の消滅を告げる。これが映画である。 妻を殺しても愛を失い、浮気相手を殺しても愛を失う。 不毛な議論の中で、無価値な言葉と同等に発されたこの一節が価値を帯びてくる。これが映画だ。 フリッツ・ラングへの愛、映画への愛、ホークスへの愛、ヒッチへの愛、カリーナとの愛、一部映画への軽蔑。 言語が語る、音楽が語る、映像が語る、海が彫刻が語り合い、せめぎあっている。だからゴダールの映画は凄い。だから映画は素晴らしい。 【stroheim】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-29 02:23:05) (良:1票) |
4.ゴダールの映画はこれしか観たことがないのですが、とても不思議な映画だなあ。登場人物の顔のアップが極端に少ない映画のような気がします。ストーリーは把握できたのでよかったです。唐突に大音響で流れ出す音楽とか、映像の色づかい、ただただなんだか不思議。 【ふぉんだ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-05-05 00:58:34) |
3.男は女が怒るポイントが全然わからないんだよなぁ。カミーユの愛を取り戻すために書かないと決めても、そうやって意見を変えるのがまた気に入らないって悪循環。誰でも経験するようなものすごくリアルな状況。カツラの使い方がすごく好きです。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-01-12 19:17:37) |
2.(なんで?なんでそーなんの?俺が何したっちゅーの?ぜんぜんわからん!)こんなことを言ったことがあるような気がする。(イヤやったらイヤって言ってくれたらよかったやん。なんで言ってくれへんの?不満があったら、そん時言ってくれたらすむことやん!)こんなことも言った覚えがある。そんな私は当然この作品に痛い痛いノスタルジーを感じ、共感してしまう。そしてアンナ・カリ-ナに対するゴダール本人の葛藤を共感できるという凄い経験までさせてくれる。〔ヒロイン、ブリジット・バルドーが金髪(だったかな)を隠したショートヘアのカツラを男が似合わないと言うシーンがあるが、あの髪型はまさしく前作『女と男のいる舗道』のアンナ・カリ-ナ。〕男にとってはなんとも理不尽なこの現象を、ゴダールはラスト、映画の中において復讐をする。しかし「死は愛を失うだけ」という言葉どうり、それが空しいだけのことだとゴダールが一番知っている。同時に映画造りにおけるメッセージも載せる。露骨に商業主義のプロデューサーを批判しながらも、その中で果敢に自分の作品を造り続けたフリッツ・ラングにゴダールの敬意を感じる。 【R&A】さん 8点(2004-03-31 12:01:37) (良:1票) |
1.公開当時はどうかしらないけど、今見ると、アンナ・カリーナとの離婚の危機を迎えていたゴダールのストレートな心情が、主人公のシナリオライターとその妻の姿に投影されていて、「正直(ナイーブ)な映画だなあ」と思わされなくもない。ゴダールとしては初の「大作」なのに、それでこんな私小説めいた映画を撮るなんざ、さすがだね。ただ、ジャック・パランス扮するプロデューサーをはじめ、いつものゴダールらしからぬ単なる類型的な人物像や、主題に対するツメの甘さがちぃと目につく感あり。ブリジット・バルドーは文句なしに魅力的であるんだが。 【やましんの巻】さん 7点(2003-10-06 12:50:56) |