7.1976年の「犬神家の一族」から始まった横溝ブームだが、これはその前年に公開された作品。
原作自体が評価の高い作品で、密室トリックの複雑怪奇さが面白いのだが、
あまり詳しく触れておらず、推理物としては正直ちょっと物足りない。
金田一は長髪、袴姿ではなく、風来坊の青年というスタイル。それに合わせているのか、
ドロドロ色はやや控えめで、ドラマのほうに焦点を当てた作りになっている。
ビッグタイトルと比較すると娯楽性は乏しいが、演出や映像に多少のこだわりを見せているので、
横溝ファンならまあ楽しめる範囲内の作品かと。