3.原作がどのように書かれているのか知るよしもないが、映画ではオーストリア皇太子と令嬢の悲恋として描きたかったのかもしれない。しかし、周囲から見るとスキャンダルな事件としか受け取られないだろう。事実原作の元になった事件も、様々な諸説や隠蔽があり、真相は明らかではない。
映画のダニエル・ダリューは若くとても美しい。しかし皇太子ルドルフは、王室育ちのせいかどうしても好きになれないばかりか、二人の愛にも切実なものが感じられない。
ただ王室の華やかさはよく描かれており、J・シュトラウス、モーツァルト、チャイコフスキー、ウェーバーら有名な作曲家の数々の曲が聴けるのはすばらしい。