9.実話かと思ったが、そうではないようだ。 原作者のジャン・ジオノは、実在の人物という注文に対して、架空の話を作り上げて原稿を渡した。 真っ赤な嘘をついたこと自体は是非の問われるところだろうが、法螺話を作り上げることのできるのが作家たる所以だろう。 本当にそんな男がそこにいたように印象づけられる。 詩情豊かな映像と染み入るような落ち着いた語り口。 児童文学にふさわしい雰囲気もあり、文科省推薦されても不思議でないようなアニメーション映画。 【飛鳥】さん [インターネット(字幕)] 6点(2014-10-23 20:27:33) |
8.一つの事をずっと信じ続けてひたすら木を植え続けた老人の姿が感動的に描かれてる。まるで本当に目の前で木が生えててくるように迫り来る美しさと力強さが感じられるのが凄い。アニメーションならではの表現力が見事なまでに描かれてる。一つ一つとにかく丁寧に描かれてるからこそ伝わってくる自然を大切にしようではないかという力強いメッセージを感じる事ができます。面白いとかいうよりも素晴らしい映像と力強いメッセージを受けて感動する内容の作品です。 【青観】さん [DVD(吹替)] 9点(2014-06-24 19:31:42) |
【akila】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-27 16:05:24) |
6.「スノーマン」のアニメーション映像を見たとき、その作業量を想像しながら、叙情的な絵の動きに感動して涙したけれど、その頃はそれを凌ぐ感動にめぐり合えるとは思っていませんでした。映画祭でこの作品を観て、感動のあまり、しばらくボーッとしてました。なぜだか実話だと思っていて、後日そうじゃないことを知りましたが、この映像作品の元となった話しが世に出た当初は実話として広まったそうです。記憶に間違いがなければ、映像を手がけたフレデリック・バックも制作段階では実話だと思っていたとか。この物語の老人の静かで力強い行動は、映像作家フレデリック・バックを駆り立て、目を患うほどの執念の作業に専念させる力を持っていたということでしょう。物語は実話ではなかったけれど「たった1人の男が行ったこと」という点を除けば、名もなき多くの「木を植えた男」たちがいて森が育ち維持されてきた歴史はウソではなさそうです。少なくとも、かんたーたさんも書かれていらっしゃる通り、フレデリック・バック自身が羊飼いの男と同一視できる偉業を果たしているわけで、この作品がまた世界中の人々の心に小さな種を植えていくことで、ウソがホントへと変わっていく力になってると嬉しいなと思うんです。 【だみお】さん [試写会(字幕)] 10点(2010-01-06 03:10:46) (良:1票) |
5.地球上の生命の中で人間だけが本能以上のエゴをむき出しにし、自分の首を絞めるような愚かな行為を行っている。とは逆に理性と情熱、信念を持ち行動する事で他の生物には成しえない素晴しい創造を生み出せる事ができるのもまた人間。フレデリック・バックの描き出す世界は実現不可能な理想郷かもしれませんが、冒頭の灰色の世界が色彩溢れる画面に変わってゆくたびに心にはぬくもりが残ります。色鉛筆によって描き出された、印象派絵画のアニメーション化。光の暖かさと柔らかさに感動。(映画館のスクリーンでぜひ見たかった) 【Nbu2】さん [DVD(吹替)] 9点(2006-05-21 20:51:31) |
4.パステルの画が涼やかに流れていきます。しばしおとぎの国の遊園地でメリーゴーラウンドに乗っているかのような気分に浸らせていただきました。そのメッセージ性はストレートでありながら優しく心に斬りこんできます。前半のブラウンとグレーを基調とした荒漠な大地、そして後半のグリーンとブルーを基調としたメルヘンな空間・・・人間の可能性を丁寧としかいいようのないアニメーションで描いたバックさんの静かなる情熱には、ただ極東の片隅で感謝を叫ぶのみです。 【彦馬】さん 9点(2004-11-14 23:15:28) (良:1票) |
3.揺らめゆく自然の情景に、今まで自分が忘れかけていた何か大切なものを思い起こさせてくれるような気がする。戦争にも惑わされず、ただ黙々と木を植え続ける男の姿には胸を打たれる。羊飼いエルゼアール・ブッフィエの影に、5年半の歳月をかけて二万枚の原画をほぼ一人で描いて完成させたというフレデリック・バック監督自身の姿を照らし合わせずにはいられない。心洗われる一本。 【かんたーた】さん 9点(2004-10-31 19:25:44) (良:2票) |
2.夏の暑い日の真夜中、無性にこの映画を観たくなる時がある。87歳までの30年間、ひとりで黙々とドングリの実を植え続けた男の物語を・・・。この作品を初めて観たのは、地元の自主映画上映団体主催による野外上映会でのこと。すっかり暗くなった夜の公園での上映。地面にゴザをひき、皆もの凄い集中力で映画に見入っている。また、虫に刺されたりするのも野外上映ならではの醍醐味といえるだろう。あの時、南フランス・プロヴァンス地方に想いを馳せながら、シーンと静まり返った公園で観たこの作品は、私に新鮮な驚きと感動を与えてくれた。誰の力も借りずひたすら自分一人で木を植え続け、やがてひとつの森を作ろうなんて、ちょっとやそっとでできる事ではない。相当な決心と根性が必要だろう。だが、この男は30年間もかけてやり遂げたのである。誰に頼まれた訳でもないのに。自分の意志で。観終わって、なんとも言いようのない深い感動が心に染み透ってくるようだった。忘れられない夏の思い出である。 【きのすけ】さん 10点(2004-05-22 14:38:49) (良:4票) |
1.短編映画ですが、パステルの描画が次から次へと流れる様な表現が実に素晴らしい。淡々と木を植え行く一人の男を主体として描き、また様々な風刺や環境問題も扱っており、レトリック表現を使っての問題描写が多い作品の中、そんな本作は直接的で強いメッセージ性を感じるので、敢えて子供たちに観て欲しい良質なアニメーション作品。 【_】さん 7点(2003-11-29 21:59:47) |