3.主演はロバート・デュヴァル、アクション映画のヒーローにしては、颯爽とした身のこなしがある訳でなし、精悍な顔立ちがある訳でなし、そもそも髪がある訳で無し。しかしこのヒーローらしからぬ彼が主役を演じることで、通常のヒーロー像に収まらない存在感、いわば「このヒト、何しでかすやら予想できない」という、独特の雰囲気があります。刑務所から出た彼は、謎の組織に襲われ、逆にその組織に闘いを挑んでいく、というオハナシですが、これがどんな組織で、なぜ彼を狙うのか、なんてコトはもうどうでもよくて、映画の中では一応説明されるけど、形だけの説明であって中身は無いに等しい。そもそもこの主人公が、そんなコトを気にしている気配が無いのだから。ただただ、このクセのある主人公を含めた男女3人組が、組織に立ち向かっていく姿が描かれるんですね。そこには逡巡も恐れもなく、すべてが刹那的。ワイルドでドライ。3人組の中に女性がひとり混じることによってわずかにウェットな部分が生じるのだけれど、それとてむしろ、作品全体のドライさを際立たせる役割に過ぎないかのような。とにかくシブい映画なのです。