3.ブギの笠置シヅ子、ハワイアンの灰田勝彦、戦前戦後の歌謡界で一世を風靡した彼らと天才子役の名をほしいままにした高峰秀子が共演した映画。彼女は子役から女優へ脱皮するとともに、歌手としてもレコードを出すほどだった。この映画ではコメディアンの岸井晃を加え、それぞれの「銀座カンカン娘」を歌う。そういった意味で大変貴重な映画である。そしてさらに貴重なのは、伝説の落語家5代目古今亭志ん生の映像が見られることだ。
映画は不景気の時代、職はないし金はない。しかし登場人物は少しも暗いところがなく、明るく楽しく生きようとしている。ミュージカルという大げさなものでなく、楽観的にものを考えるあまり、つい歌い出してしまうというしろもの。ほほえましくもあり、ほのぼのとしている。ところで「カンカン娘」の由来だが、米国では「カンカン帽」が流行していた。その「カンカン」を取ったにしても、別に何の因縁もなさそうではあるが・・・。