5.影の軍隊の名のごとく、暗く重々しい雰囲気が続く。レジスタンス映画なのだが、そこに描かれている様は、逃げた、捕まった、密告したの世界、拷問や処刑などの生々しい場面が続く。全編を通じてがこうだから、少しも安らぎになる場がない。正直おもしろい映画とは言い難いが、こういう歴史があったということだけで価値があるのかもしれない。ところで映画の中のクラシック曲はベートーヴェンの「田園」のはずだけど、Imdbがまちがうということがあるのだろうか。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-04-06 08:32:55) |
4.全編を覆い尽くす陰鬱な空気はメルヴィル監督ならではのもので、陰惨極まりない展開と結末が胃に堪えます。 |
3.私の大好きな映画のひとつに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』というギャング映画があるのだが、この『影の軍隊』の至る所にその原型を見ることができます。いや、そんな気がするのです。内容は全然違うんだけど。でもこれはどう見てもギャング映画でしょ。トレンチコートに帽子、クラシックカーとその背景となる町並み。映像だけを眺めると、画面に映し出されているのはギャング映画でありアメリカ映画なのだ。そこにモリコーネ風音楽が挿入される。車が街から離れ、海の見えるところ(波音が聞こえるところ)で止まる。ここもまた『ワンス~』を思い出さずにおれない。そこからてくてくと寂れた雰囲気の場所へ。そして建物の中へ。中へ入ると外で遊ぶ子供の声が目立つ。窓を閉めカーテンを閉めると靴音だけが響き渡る。あることを悟るのにじゅうぶんな空気が満たされ、あとはさるぐつわから漏れる嗚咽と男のむせび泣きが聞こえるのみ。このセリフ無きシーンの素晴らしいこと。ラストシーンだって一言もしゃべらせない。トレビアン! (本作のレビューとは関係ないのだけど)思えばイタリア人レオーネ(『ワンス~』の監督ね)は西部劇を真似たマカロニウェスタンで新境地を開き、フランス人メルヴィルは犯罪映画の本家を凌駕する作風を確立している。アメリカ映画を愛し、そしてそこから新しいものを生み出した先人なのであった。とムリヤリに共通項を探したくなるくらいに同じ(好みの)匂いを両者に感じるのでした。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-16 16:33:19) |
2.うーん、メルヴィル作品は雰囲気は最高なんだけどなぁ・・・ 実際に最後まで観てみると、どうも退屈感が出てしまう。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-12 16:41:45) |
1. 今まで誰もコメントしていないなんて不思議。フィルム・ノワールの名匠J・P・メルヴィルの代表作ですから。一般的にはアラン・ドロンの「サムライ」の方が有名ですけど。確かにこの作品、余り観た人が多くはないんでしょうね。ナチスドイツに占領されていた、フランスのレジスタンスの話です。良くアメリカ映画に、アメリカ軍に協力するカッコいいレジスタンスが出てきますけど、実際はこの映画のように、辛く悲惨な戦いに明け暮れていたんでしょうね。本当に地味で、暗くて、救いのない映画なんで、誰にもお勧め、とは言えないんですけど、見終った後、何ともジワッと暖かいものが残る映画です。兵士のように徴集されたわけでもないのに、自らの意志だけで、自由のために命を賭ける彼ら「影の軍隊」の心意気に打たれるからでしょうか。 【とらおとめ】さん 8点(2004-02-27 23:45:07) (良:2票) |