2.二組のカップルがそれぞれの妄想や幻想を剥ぎ取り本当の自分を見つけるといったお話。レストランで『ピアノレッスン』の感想を言い合っているうちに他の客にも伝染しレストラン中で『ピアノレッスン』を批評しているのが面白かった。主人公の「リアルじゃない!メロドラマだ!」という主張はきっとトム・ディチロ監督の主張でもあるのでしょう。自分はこういう人間なんだという思い込みは多かれ少なかれ、そして自覚しているしていないはあっても誰もが持っているもので、その思い込みと現実とのギャップというその一点に集約して恋愛ドラマを見せます。確かに絵画のような『ピアノレッスン』よりも現実的だし、リアルな葛藤ではあるけれど、すっきり納得のいくエンディングはリアルとは言えないような。全体的に、よくビデオ化されるアメリカのテレビドラマっぽくて、映画を観たと言う満足感が乏しいのが残念。