2.初めっから終わりまで震えっぱなし。自分の映画監督ランキングに、オフュルスが物凄い勢いで、しかし足音を立てずエレガントに迫ってきたのを感じた。パーティーでダンスするシーンが印象的で素晴らしいのだが、この映画は言ってみれば初めっから終わりまで全てがダンス。カメラも踊る。それらを操るのが女性映画の巨匠マックス・オフュルス。女性映画の巨匠っていうのはどいつもこいつも凄い。そもそも女優をいかに撮るかという事が映画の出来を左右するのだから、女性映画の巨匠が一番最強だろう。だからもちろん成瀬巳喜男も最強だが、オフュルスも同時に最強であり、つまり「たそがれの女心」はそういう映画であると言える。中身も何も無いレビューですが、観れば分かる。最強の映画とは、いつも言葉に先立つので何も書く事が無い。ただ見る事、体験する事、これだけです。