4.《ネタバレ》 イヴ・サン=ローランと、そのパートナーのピエール・ベルジェ。
ローランの仕事は、彼なくしては出来なかったであろうな、恋愛対象としても、仕事としても最高のパートナーであり続けたのだろうな、
というのが見て取れます。50年間、特にベルジェは彼を愛し続けた。素晴らしい愛の形。
若い時のイヴ・サン=ローランの美青年っぷりと、仲間たちとじゃれあってる時のくったくのない笑顔が印象深い。
その若い時に比べると、年を重ねたときの彼の表情は冴えないです。
ベルジェが言うように、名声は彼を孤独にさせていったのかもしれません。特にひどく内気な性格の人にとっては。
そしてファッションデザイナーという職業が、かなり精神的にキツイお仕事であるというのもわかりました。
きちっと日にちまでに作り上げなきゃいけない。常に人の期待に応えなきゃいけない。プレッシャーも大きいのでしょう。
それから、芸術的なもの、美しいものを好み、欲するという純粋な欲求の強さも印象深い。
自宅や別荘、それら収集された美術品の部屋の素晴らしさなど、見た目にも興味深いのですが、
ただ、一本のドキュメンタリーとしては少々内容が薄いです。基本的にはベルジェ一人の語りだけなので、
もっと多角的な視点からローランの人となりを知りたいなとも思いました。