12.なるほど、これがあのアメリカ映画史上最高評価される誉れ高い作品「市民ケーン」か!評判通りスゴイカメラワークにウェルズの圧倒的な演技力。納得納得。だいたいこういう風にカメラワークが評価されてる古典って、今見たら理解できないことが多々あるけど、これは理解しまくりで、感心させられまくりでした。ひとつひとつのカットに映像的な意味をを持たせて過剰な説明をさけるやり方はまさしく映画のバイブル。「ゴッド・ファーザー」にも通じるところがありますね。そしてヒューマンドラマに隠されたミステリーとその最後のタネ明かしはなかなか素晴しく、「あっ!」っとさせられる。26歳のウェルズの天才っぷりには本当に脱帽、脱帽。でもなんだかここのレヴューでは案外低評価。やっぱりカメラの知識とかがないと楽しめないのかな?感心できないのかな?巨万の富を得たがゆえに周囲の人から理解されないケーン氏と同じく、この映画も技術的なことにこだわりすぎたがゆえに現代の人に衝撃を与えにくくなっているという皮肉。悲しいかな・・・。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-03-31 18:22:39) |
11.《ネタバレ》 影の使い方が印象的だった。オペラ歌手の妻が「もう歌いたくない」と泣きついたのに対してケーンは「君はただ歌っていればいいんだ」というシーンがある。まるで彼女を押さえ込むかのようにケーンの影が彼女に覆いかぶさっていた。彼女はケーンをしっかり見つめながら、顔を影からゆっくりと出す。ケーンの権力とそこから抜け出したい彼女の心理がそのシーンから伝わってきた。 映画の見方を教えられた作品だった。 【もりたろう】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-10-25 21:08:09) |
10.《ネタバレ》 なんて寂しい映画なんだろうと観た後は溜息しかでなかった。"億万の心"など一生理解できない境地ではあるけどストーリーが進むにあたってケーン氏の表情がどんどん濁っていく様がどう表現して良いのか分からないけど「なんとも救いようが無いねぇ・・・」という感じでした。妙に記憶に残ったのはオペラシーンでケーン氏だけが一人スタンディングオベーションで立ち上がり顔から上半身にかけて影の部分に入り表情がまったく見えなくなる構図が他との孤立感を深め人としての感情が薄らいでいく様に見えて無性に寂しさを感じてしまいました。「薔薇の蕾」に関しては私の個人的な解釈をさせていただくと、薔薇の花言葉・・・”愛情”が出てきました。だから私はケーン氏が「私は生まれて幼少時から親元を離れ愛を知らず成長して”つぼみ”のまま一生を終え、ついに”花=愛”を開花させることが出来なかった・・・」と捉えさせていただきました。人は誰しも生まれ持って愛情の”つぼみ”を心に抱いている。それを花として開かせ心から充実した人生を送るか、蕾として感情を閉ざしたまま人生を終えるかは人それぞれだろうか・・・ 。 【tetsu78】さん 9点(2005-01-16 16:17:58) |
9.もしリアルタイムで見ていたら、その後の孤独を描いた諸作品が全て焼き直しに見えてしまったのではないか、と思わせるほど本質をズドンと突いた作品。前半はやや退屈だったが、後半は時間を忘れた。すごい映画だ。 【ラーション】さん 9点(2004-01-24 02:39:53) |
8.地位も名誉も得たのに幸せになれなかったケーンに、人間の幸せ、生きる意味って何だろう、と考えさせられた。人間は「尊敬されたい」と「愛されたい」という二つの欲求から成り立っていると思うけど、ケーンは究極的には愛されたかったのだろう。 【凛々】さん 9点(2003-11-02 11:16:32) |
7.アメリカンドリームの真実が競争社会の哀しさであることを、このストーリーは物語っていて、社会的な成功をむなしいと感じつつも追いかけて生きている。そう考えるとアメリカでの高い評価の理由が見えてくる気がする。どういう時にどんな気分でこんなにも長く見られ続けているのか、そこにとっても興味があります。生意気言ってすみません。 【うこっけい】さん 9点(2003-07-27 23:30:25) |
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6.物語だけを追っていたら大して面白くもない作品。しかしストーリーなんぞ軽々と超えたこの映画的ダイナミズムはどうだろう。観るほどに「映画の驚き」と「楽しい!」を味わえる作品。 【るーす】さん 9点(2003-01-26 20:25:31) |
5.ウェルズのヘンな風貌が気にいった! 「バラのつぼみ」の意味は、確かにわかりにくいと思う。(私はちょっと巻き戻して確認しました)でも、ストーリーのほうで「結局はそんなもんさ」って言ってるみたいな感じがするので、わからなくてもいいような気がします。 【ぽんた】さん 9点(2002-12-28 00:42:49) |
4.シナリオは10点。最後のバラの蕾の正体ががちょっとわかりにくいかなと思いました。ビデオで見たんですけど白黒の映像で形状がわかりにくかったです。何回か巻き戻してみて、やっとそれが序盤で出てきたアレだとわかったときの衝撃はすさまじいものがありましたが。それがちょっときになったんでマイナス1点です。 【keeper7】さん 9点(2002-12-09 15:55:42) |
3.今となっては当然の事をやっているので「それがどうしたの?」程度にしか感じられないかも知れない。それはそれで真っ当な感覚だがオリジンを知っておくのも悪くはない。第二次世界大戦の幕開けの年に封切られたという時代性も加味すると感慨が増す。 【バムジン】さん 9点(2002-11-17 01:05:24) |
2.観た後、素直に面白いと思える作品だった。「薔薇のつぼみ」については、人によってさまざまな意見があると思う。だが、観終わってから自分が思った答えがあれば、それが正しいのだと思う。人によって意見が異なる作品だからこそ、名作と呼ばれるに相応しいのだろう。 【ロウ】さん 9点(2002-11-06 19:25:32) |
1.「薔薇の蕾」とは一体何であるか。あれほど豪放磊落な男の、誰も知り得なかった秘密めいた言葉。映画を観る者のみにそっと教えてくれる作品。人間の強い部分と弱い部分、優れたところと駄目なところも見せてくれる。記者たちの顔は見えない。まるで映画を見る傍観者のようだ。自分の人生に思い馳せる 【take】さん 9点(2001-06-06 04:25:49) |