9.『東京物語』からは想像もつかないぐらいに陰鬱でドロドロした愛憎劇。今回の原節子はマジで怖いです。実の母親を睨みつけるシーンでは殺気すら感じてしまう。それにしても、なぜ小津映画のラストはいつも笠智衆と原節子の二人だけになり、「お父さん、一人で大丈夫?」になってしまうんだろう? 【とかげ12号】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2005-11-20 20:07:21) |
8.有馬稲子の次女役はもともと岸恵子の為に書かれたものらしいけど、結果的にこの作品は彼女のままで良かったんじゃないのかあ。それにしても「暮色」っていい言葉っすね。なかなか東京に住んでいても、本当に気持ちの良い暮色どきにはなかなか出会えません。かなりグルーミーでダークな異色作だけど、小津監督の別の一面を観る事が出来て自分は満足。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-09 14:02:03) |
7.暗いとか異色とか言われているので覚悟して(?)見たが、確かに、まさか次女がああなるとは思わなかった。しかし、小津らしくないのはストーリー展開であって、作品全体のトーンマナーはあくまで小津調。おなじみの俳優陣による安心の演技が心地よい。父の、母の、姉の、男の、誰の気持ちであっても痛いほどに分かる。主役と言うべき個人はなく、家族が主役。小津最後のモノクロ作品にふさわしい趣きがある傑作。 【眠い悪魔】さん 8点(2004-02-06 01:18:07) |
6.《ネタバレ》 今まで見た小津作品の中では一番ダークな感じ。「死にたくないの」って妹は言ってたけど「出直したい」とも言う。あれって自殺ですよね。ラストの原も「やってけなくても、やってかなきゃならないと思います」って現実的なのがシビアだと思った。よくわからないが家族は母親不在ってのを言い訳にしてると思った。 【バカ王子】さん 6点(2004-02-03 03:29:23) |
5.《ネタバレ》 深い悩みは家族ほど打ち明けられず、他人ほど判るものである。妻が去った理由、次女の死の理由、他人となった母だけが理由を知り自責に駆られまた去ってゆく。理由を知ろうとしない者だけが、何も無かったように日常へと戻ってゆく。オープニングの小料理屋の女将、エンディングの家政婦とのやり取りの間に様々な事件が起きていながら無いも変わっていないように見えてしまうそれこそが日常なのか。全てを受け入れながら生きるのも辛い人生である。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2004-01-20 22:52:12) |
4.比較的淡々と描かれる戦後小津作品にしてはしっとりした印象でした。 【its】さん 7点(2004-01-07 00:31:50) |
3.うーむ、やっぱし小津作品初心者は「生まれてはみたけれど」か「東京物語」とかから観始めるべきだったかな?この作品は、どちらかというと異色作らしいから・・・。ごめんなさい、ワタクシはまだまだこの作品のごく表面しか見えていないみたいです。 【ぐるぐる】さん 6点(2003-12-10 19:59:21) |
2.たしかにやり切れない話ではあるけれど、不思議と観ていて重くならなかった。何だろう?この心地よさ、風通しのよさは。あの山田五十鈴演じる母親やロクデモない学生に対しても憎悪の念は湧き上がって来なかった。逆にそこに小津の静かで優しい、しかも徹底したニヒリズムを感じた。でも他の小津作品と比べると少し質が落ちるのでこの点数。 【水島寒月】さん 6点(2003-12-07 13:11:23) |
1.《ネタバレ》 暗いと言われてる作品だがなかなか味わい深い。母(山田五十鈴)は父と子3人を残して男と家出、父(笠)に育てられた子供のうち、息子は事故死、長女(原節子)は結婚して幼児がいるが幸せな結婚ではないらしく実家に戻っている。次女(有馬稲子)はしょうもない男に引っかかって妊娠してしまう。堕胎してあげく事故死。母は男と遠くへ去っていくし、長女は心ならずも夫の下に戻る。父は一人になる。次女の秘密は家族も知らないまま・・・冷たいわけじゃないのにばらばらのままの家族の姿が結構リアルに描かれ興味深い。ただ長女が子供のために気の進まないまま家庭に戻っていくが、今見ればちょっと納得できない 部分かもしれない。 【キリコ】さん 6点(2003-12-05 23:30:01) |