17.《ネタバレ》 ソリッドシチュエーション・スリラーの新作みたいな宣伝をされてるけど、ちょっと違うと思う。二人の人間による心理劇が見所なのであって、ゲーム的な設定がメインなのではない。 狂気と幼さが同居する女の子のサディスティックな振る舞いも、自信ありげなインテリ男が追い込まれて壊れていくようすも、ともに迫真の演技だった。103分にも渡って緊張感を持続させたのはいうまでもなく二人の功労が大きい。テレビドラマでは質の悪いものほど音楽を流して誤魔化すというけれど、この映画にはオープニングとエンディング以外、ろくな効果音すら使われていない。 頭脳戦の面もあるにはあるが、見所はそこではないように思う。知性では女の子のほうが一枚上手だが、彼女だってちょっとしたケアレスミスからピンチに追い込まれているし、男に出し抜かれる余地は十分にあった。だが男はここぞというときに浅はかな行動でチャンスを台無しにする。極限状況でどれだけ我を失わずにいられるか、どれだけ容赦なくなれるかが勝負の決め手となる。つまり精神力の対決なのであり、だからこそこれほど見応えがあるのだろう。 少女の正体は最後まで明かされない。昔から凄腕の殺し屋を扱う物語では、犯人の正体が不明のままに終わるのがひとつのパターンになっている。こうして少女はどこか怪物じみた印象を残したまま観客の前から消える。もちろん正義が彼女の側にあるのは確かなんだけど、常軌を逸した手段をとったことも事実なわけで。毒をもってなんとやら、という言葉を思い出した。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-10-30 16:12:12) |
16.《ネタバレ》 2人のキャラクターが明確にならない序盤、男は被害者で女は加害者です。感情移入しやすいのは、当然男のほう。自分は男性なので尚更です。彼に自分自身を投影させて物語に臨みました。これが運の尽き。彼の身になってしまうと、もう大変です。悪夢としか言いようが無い。最初は猛烈な怒りに支配されます。とにかくムカツク。あの小娘、ただじゃ置かないと歯軋りします。次ぎに襲われるのが不安と恐怖。そして惨めさ。自尊心がズタズタにされます。最後に待っていたのは絶望。負の感情の大盤振る舞い。去勢手術の件なんかシャレになりません。本気で震えます。縮み上がります。得体の知れない汗がにじむ。出会い系サイト以外にも、各種ぼったくりや美人局等、男の下心に付け込む奸計は数多ある。でも自分は大丈夫。女遊びはしない(出来ない)し、怪しい場所には近づかない(近づけない)から。そもそも女がらみの危険なチャンス?に巡り合わないのです。(あ、なんか泣けてきた。笑)そんな自分でさえ、本作のシチュエーションに怯えます。自分にも下心はあるから。どんな聖人君子でも、男なら同じような状況に追い込まれる可能性はある。だから他人事ではいられません。ラストに明かされる男の本性。そして少女の目的。彼女は正義の味方気取りの異常者ではなく、正当な復讐者でした。男も復讐されて当然の人間だった。客観的にみれば少女のほうに理があります。でもこの期に及んで、男への感情移入を解くことなど出来ません。彼と同様に、やるせない感情にまみれて死にます。(以下、極めて個人的な事情)実は、あの娘の顔は自分が一番嫌いな上司(50代・女性)の顔にソックリ。少女とその上司の顔がダブって仕方ありませんでした。あの神経を逆撫でするイヤミな言い回しや、冷酷なところまで似ています。幸いにも今年の異動で、その上司と顔を合わせる機会は減ったものの、かつての記憶が蘇ってきてムカツキ度200%増し。とても冷静ではいられませんでした。その分のめり込んで楽しめたとも言えますが、心に負った傷はでかい。後味は最悪です。ホラー映画として7点。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-10-04 18:45:19) |
15.《ネタバレ》 掴みは非常に面白く、青年と少女のわずか2人が中心のサスペンスがどう展開されていくのかと興味津々だったが、中盤からは一方的な少女の攻めだけになり、幾ら復讐の理由を隠して引っ張っても、中だるみ感は否めなかった。限られたシチュエーションの中で緊張感を持続させるには、もっとエピソードに膨らみを持たせる必要もあったが、やれ男の睾丸を切除するだ、隠ぺいの為に殺すだ、だけでの引っ張りで、一定の息苦しさはあったが正直飽き飽きしてしまった。全体の尺をあと15分は短くできたと思う。作品的にはロリコン男への警鐘にはなっているが、少女の復讐劇(友人と共にある少女を殺してしまった過去の暴露)と考えても終わり方も中途半端な気がした。それとサンドラ・オーを起用するならもっと物語に絡めても良かったのではないだろうか?密室シチュエーションスリラーとしては可も不可も無い凡作に感じた。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-08-17 15:57:34) (良:1票) |
14.いろいろ不可解な点は残りますが、男性ならこの映画は耐えられないでしょう。 自分自身映画がこんなに短く感じたのは初めてです。 力技的に食い入るように見せられましたが、 実際これほど印象に残る映画は少ないと思います。 個人的にはオシャレな絵も好感が持てたので、文句なしです。 |
13.《ネタバレ》 後半の方までどちらの言葉が真実を語っているのか、完全には明確にせずどちらにも展開できる様な描き方をしている。それはそれで面白いのだけれど、その所為で何とか電話を取ろうとするシーンや、トクダさんが異変に気付くシーン等に気が入らない。終始気持ちが宙ぶらりん。冒頭から、男が縛られた状態で眼を覚ましてその後数分位までが、少女の何となく落ち着きの無い立ち振る舞いや、何処か微かに歪んだテンションなんかにいつ何が起こるのかと思い、一番緊張感が有った。そもそもトクダさんのシーンはセリフ回しも何だか妙なんだが、まあいいか。虚勢シーンは、ビデオ設置説明のくだりと始める前に男が何故感覚の有無を気にするのか、と少女に聞き返すシーンで切らないなというのは解ってしまった。お陰で痛い思いをしながら見ずには済んだので良かったのだけれども。しかしこの映画そのものは何なのだろう。やはりこういった話にするのであれば、少女は悪しき社会が生み出してしまった怪物として、暴走するひとつの悪としてしっかり描くべきだと私は思うのだが、どうも演出に彼女にヒーローイズムを感じさせるノリがある様に感じてどうも面白くなかった。自害させるというやり方も如何にも”自ら罪を償わせた””彼女が殺人を犯した訳ではない”と主張されている様で非情に感じが悪い。性犯罪もそれを黙殺する事も許される事ではないけれど、その人間を関係者か第三者か解らない少女が絶対正義といったノリで一方的に追いつめて死なせてヒーローの様に去って行く話を、スタイリッシュ(ぽい)映像でまとめあげられても、正直どうかと思うぞ。2人の演技がなければとても見れた物になっていなかったと思う。エレン・ペイジは良かった。X-MENではあんなに可愛かったのに。個人的にはソーラ・バーチ以来のインパクト。 【イチェルコ】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2007-08-10 04:13:46) (良:1票) |
12.映画を見てるときって、ふつうはまあ正義の側に立って鑑賞するものでしょ。そうだとだいたい最後は勝つから。でもこれ、男と少女、どっちが正義だか分かんないの。被害を受けてるのは明らかに男の方だけど、少女の言い分に理があるのかないのかが不明で。その宙ぶらりんの緊張が、珍しい体験でした。しおらしい顔してた少女の顔に不敵な笑みが浮かんでくるあたりのゾクゾク感ったらない。これはもうどっちの側に立って 見てるのでもなく、自分のひいきチームと関係ない決勝戦を、反則なんでもありの痛快なルールで観戦してるようなものか。怖~い怖~いお医者さんごっこの話。それにしても、舞台では一人芝居というジャンルがあるのに、劇映画は最低二人登場しないと成り立たないのはなぜなんだろう。舞台は演者と観客が反応しあう場なのに対して、映画は観客が演者をこっそり覗いてる場だからなのかな。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-07 12:17:30) |
11.《ネタバレ》 ヘイリーはいったい何者なんだ!? 14歳に追い詰められた32歳。 目が離せなくなりました。 【ゆりたぬき】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-28 19:37:53) |
10.正直面白かったー!!とは言えないけど、とても『オシャレな映画』ですね。エグそうな内容をこんなにスマートな映像にするなんて・・・・。ほぼ2人しか出演しませんが、その二人のルックスが映画の登場人物にピッタリ。この映画はキャスティングが全てでしたね。それにしても、最後のヘンリーのセリフ。スカッとしました♪ 【さら】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-05-22 10:00:57) |
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9.《ネタバレ》 事前の売り込みはつボイノリオも大笑いのカッティングシーンだったのですが、いやいや私結構スカッと来る映画でした。真実の分からないまま進む密室劇で、出演者ほぼ2名は大熱演。似たようなサスペンスもあり新鮮味は欠けますが、今回は何が気に入ったってヘイリーちゃんです。コールドプレイを聴いてモンティ・パイソンを愛する少女は桃太郎侍の如く鮮やかに世直しをしてくれました。天晴れ。レンタル屋でいたずらにエッチ臭いアニメの隣にこの作品を並べてやりたいです。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-12 03:08:15) (笑:1票) |
8.常に緊張感がある作品でした。タマ抜きのシーンは、なかなか痛々しい気持ちになりましたね。何かもう一味あればよかったなぁ。。。 【真尋】さん [DVD(吹替)] 6点(2007-04-20 23:25:12) |
7.《ネタバレ》 出会い系で知り合った男を罠にはめていく14歳の少女。この子の先に先に読む頭の良さにビックリΣ(゚Д゚ノ)ノ 男が哀れにも見えて、少し応援したくなりましたが(笑)でも結局は復讐劇であり、男は変態だった・・・性犯罪にはあの手術をする事になったら犯罪は減るかも・・・? 【うさぎ大福】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-04-04 21:43:37) |
6.《ネタバレ》 映画の登場人物は2人だけだし、特に音楽や効果音はありません。しかしこのジャンルの映画では久しぶりに見終わった後に良かったと思えました。この映画は見て損はないです。「才能」「努力」「集中力」以上の3つって、アーティストの3本柱だと私は思うんです。男前でオシャレなカメラマンの、映画が進むにつれて恐怖で顔が変わっていく様子が凄いです。女の子役の眉やカールした前髪の幼さ、それと対照的な冷たい表情と声にびびりました。「結局女の子は何者だったのか?」という謎は残されていますが、あのラストシーンも私としてはぴったりきました。とにかく登場人物2人の集中力はすばらしいです。 【キュウリと蜂蜜】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-03-11 22:10:34) |
5.《ネタバレ》 かなり緊迫していて面白かったです。でも、みなさん、これネタバレですけど・・・ 玉、抜かれてませんよね?手術のビデオ写してたし、、。 【GO】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-03-02 22:42:42) |
4.男がネットで少女をナンパし、実際に会うのだが、でもそれが男の恐怖の始まり、とゆう内容です。出演は主に男と少女の二人だけ。舞台はずっと部屋の中。ただ、これは男の恐怖だけを表現したいわゆる「ミザリー」などの映画とはちょっと違います。いやいや、男の人なら、結構、うわ~、これは嫌だ~ってシーンはありますし、男が味わう恐怖はちゃんと描いてるんですけど、観てる人がこの男の気持ちになって同じように恐怖を味わうとゆうストレートな作りはではなかったです。途中はむしろ少女を応援したり、はたまた男を応援したり、つまり恐怖を極限まで追求した感じでなくて、この男は単なる被害者?それとも本当は変態のロリコンなの?って所をぼかして最後まで進行していくのです。だから単なるスリル感だけを追求するとちょっと違うかもしれません。それに直接的なグロ描写は描いてません。出来るだけハードなモノは写さずに雰囲気で伝えるって感じです。ただ、私は最後まで色々な意味で緊迫してほとんど退屈しませんでした。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-26 21:32:14) |
3.《ネタバレ》 新進気鋭の新人を見つけ、埋もれている逸材を発掘するのが目的のサンダンス映画祭。そこで大絶賛を浴びたという事で期待を寄せる今作。出会い系チャットで意気投合した32歳のカメラマンと14歳の中学生。博識を装い14歳を何とかイテ込まそうとする32歳だが、逆にイテ込まされてまう。日本の親父狩りにインスパイアされたという。その裏に男の過去、そしてそれを許すまじき女の復讐がプレイバックする。見所は女にタマタマを抜かれる描写で、それはそれは男性には戦慄モノ。そのスプラッター描写をもっと活かしてほしかった・・・。 【カイル・枕クラン】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-11-05 22:25:43) |
2.《ネタバレ》 女の子はX-MEN3の子なんですよねぇ…(通り抜ける子) 今回の抜けは抜けでもタマ抜きですかい!なんてベタは置いといて… どー観ても大竹しのぶがダブっちゃうぜ…(怖) 追加:金太、マスカット、ナイフで…痛てえよ 【栗頭豆蔵】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-10-20 17:02:30) |
1.がきんちょ をなめちゃ駄目です。(笑 二人しか出てこないので、この映画がヒットしたら大儲けですね。 まぁ、二人の熱演を堪能してください。 【オドリー南の島】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-18 02:48:52) |