1.《ネタバレ》 夫に結婚詐欺をさせる妻・里子の真意とはなんだったのでしょうか。
夫・貫也が言った『腹いせ』だとは自分には思えません。
自分には、それは純粋に貫也の夢のために思えます。
しかしその気持ちと裏腹に、女性と接触する貫也に嫉妬を感じていた。
それでも彼女は、貫也のため、夫に詐欺をさせた・・・
さらに彼女は、そんな自分の人生を『卑怯』と言うのです。
そして、彼女の本当の願いは、貫也とともに幸せな家庭を作ることなのではないでしょうか。
映画の後半で、里子は『お義父さん(イントネーションから、おそらく貫也側の父)』に「こんど2人で帰るから」と涙ぐみながら言っていました。
詐欺行為の発端になった女性・玲子にはお金を返しましたし、彼女の目的が「他人に不幸にさせる」というのは、疑って掛かるべきことでしょう。
包丁を持った彼女が『子ども』に救われたのも、それをあらわしていると思います。
自分は、この映画で一番悲しい存在なのは、
女性とつきあう貫也に嫉妬し、
その貫也の行動を彼の夢のために肯定し、
他人の人生にのっかり、
さらに自分は卑怯だと思っている、
里子だと思います。