2.《ネタバレ》 某有名人気シリーズの設定に酷似していることは気になるが、個人的には意外と楽しめたという印象。どうしても比較してしまうが、このような設定においては基本的にはどれも似通ってしまうので、それほど気にしない方がよいだろう。
特許があるわけではないので、仕方がないと思うしかない(パクリでは不味いが)。
しかし、粗もかなり目立つ作品でもある。
あんなおっさんをターゲットにするくらいならば、あんな面倒くさいことをせずに「普通に道端で襲えよ!」と思う(殺人を事故にみせかけるのがプロの仕事だろう)が、そのようなことを言い出したら映画などは作れない。
製作者は一生懸命にどんでん返しをしようと考えた“努力”と取るしかない。
それにしては、プロの暗殺集団は意外と間抜けな集団と最後になってしまった。
自分の使命を忘れる者もいれば、捨てゼリフを吐きながらも爆弾を解除できない者もいて、おまけに一人の素人の女性にほぼ全滅させられるという有り様。
仲間のおっさんがビビるほどの凄みを感じさせなかったことは残念。
銃による死者がいなかったことは製作者の意図だろうか。
その辺りは一応工夫しているのかもしれない。
残念といえば、善と悪との葛藤のようなものがないことも挙げられる。
生まれ変わったら、悪と戦うヒーローに簡単になってしまうのは単純すぎる。
確かに、訳の分からない輩に襲われたら戦わざるを得ないが、自分の使命やアイデンティティーに対して苦悩させた方がよいのではないか。
悩める主人公をヒロインやターゲットの子どもなどが影響させて、完全に生まれ変わらせるということが醍醐味であろう。
もともとは仲間なのだから、殺そうとするのではなくて懐柔させるようなアメとムチを使い分けてもよかった。
あまり難しいドラマを構築するよりも、真相やアクションを楽しむ映画なので、単純でよいともいえる。
しかし、ラストにおいても妻との再会がなかったことも残念だ。
意外な方法による退場の仕方も面白いといえば面白いが、最後はちゃんと妻と思っていた女性と向かい合わせた方がより面白い。
自分が愛したと錯覚した女性を選ぶのか、それとも自分を救ってくれた女性を選ぶのかというチョイスが最も必要なことではないか。
きちんと過去と決別させるためにもこれは必要な儀式だと思う。
情に訴えかける妻と思っていた女性に策略に乗らないようなシーンは必要であろう。