2.《ネタバレ》 素人・エアガン・路上生活者・最初に捕まった人の人柄、すべてが先入観となってしまいます。完璧なストーリー構成です。『まさか』です。その『まさか』を、見ている私達にもつきつける衝撃的なラストに撃沈されます。
警察車両を襲撃して武器を奪ったのも、流れからいけば『凶悪な三人組』のほうだと思ってしまいます。いや、今作のメインストーリーは、やはり『凶悪な三人組』の検挙なのでしょう。それが王道ですから。そのメインストーリーを隠れ蓑に、まさかのジョーカーをラストにもってくるとは誰が予想できるでしょう。これは参りました。本当にラストまでは、『踊る大捜査線』のような雰囲気だったのに、最後の最後でまさかの結末。その説得力の高さに、後味が悪いとか、最早そんな次元の話ではありません。ここにきて、『デッドポイント』というタイトルの意味を実感することになるんですね。
それに、こういう作品ではロマンス部分が邪魔になることも多いのですが、今作では『ロマンス=日常』を織り交ぜることにより、ラストの絶望感・喪失感がよりリアルなものに感じられます。
『よし、決めた。俺は告白するぞ。』『俺のことを好きになるんじゃない。』『ジミーに会いに行きます。』『俺も決めたぞ。妻に愛人のことを話して、二人とも面倒を見ていく』それぞれの言葉が、思いが、宙に待っていきます。
ラスト、マンディが冒頭のシーンと同じように、店の窓を拭きながら6人の結末を知ってしまいくずれ落ちるシーン。マンディの視線は、私達視聴者の視線にもなっているのでしょう。