1.《ネタバレ》 俺は「二十四の瞳」といった辛気臭い話よりも、「風前の灯」みたいなブラックコメディ、この作品みたいに初期の方が惹かれる。
ロードムービーのような流れで男女の恋愛と亀裂を描いていく映画。
登場人物はたった二人。
あてもなく流離う二人の間に生じる関係。
直接的な描写はせずに、女の表情と少し乱れた服だけで「情事」を感じさせるこの演出の見事さ。
たった1時間ちょっと、限られた登場人物でここまで戦後の洞察について話を膨らませられるとは・・・ラストの火事のシーンも凄い。
実験的な要素たっぷりの作品だった。