1.この作品を生温い恋愛映画か何かと思って観たら、恐らくこの驚くほどの重たさに面食らうだろう。
主人公であるハンナは多くを語らず、とにかく謎に包まれている。
なかなか言おうとしない秘密のことが少し気になるけど、話したくないなら話さなくてもいいような気もした。
たぶんこの作品は戦争映画だ。
銃や戦場は出て来ないけど、戦争映画以外のカテゴリーに分類するのは間違ってるような気がする。
まあ、そんなことはどうでもいいんだけどね。
作中にはたくさんの音楽が出てくる。
僕は音楽にそんなに詳しいわけじゃないけど、たぶん世界各国の曲が挿入歌として使われている。
それはつまりこの物語は世界中のすべての人に関わる問題なんだということを訴えているのだろう。
そんな中に日本の曲も含まれているというのがまた重い。
見知らぬ遠い国の物語のようでいて、僕らとは無関係とも言えないような複雑な心境になる。
物語の終盤にはハンナが重い口を開いて、秘密のことを話して聞かせてくれるけど、それは彼女なりの愛の告白だったのかも知れない。
あまりにも重過ぎて僕はちょっと引いちゃったけど。