13.《ネタバレ》 ヤン・イクチュン。やられました。 荒っぽいけど、ある出来事をキッカケに真人間になっていくが、周りがそうさせてくれない、というよくあるパターンだが、ヤンイクチュンはじめ、役者が良すぎて、ベタにならず非常に良作! 【ドクターペッパー】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-01-12 15:22:56) |
12.フィルムノワール。 この言葉の意味はよく知らないが、きっとこれは、韓国のフィルムノワール、のはずだ。きっと。たぶん。そうにちがいない。知らんけど。 以前、バカ売れした韓流映画を観て悪寒が走った。 そんな韓流映画とは一線をかくしている渾身の映画。 伝える気満々で、くどくなるところは表現せず、美しい流れのストーリー。 韓国だろうがアメリカだろうが、いい映画はいい映画。あたりまえのことを教えられた。 ちょっとしんどい描写もあるから、暴力表現に抵抗のある人は観ない方が懸命。 人がいない時間にじっくり時間作って観るべきフィルムノワール。 (フィルムノワールの意味を調べた) 対極だ。ウェットだな。こっちは。うん。 おれ、フィルムノワール嫌いだ。うん。言葉はいみを知らずに吐いてはいかんな。 勉強になった。ありがとうサンソン。 【おでんの卵】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-06-23 22:36:55) |
11.うんざりするほど繰り返される暴力シーンと汚い言葉から、ボロボロに傷ついた魂の叫びが聞こえてくる。 それは、慟哭であり、渇望である。 そんな主人公と出会う少女は「幸福な家庭」と嘘をつきながらも、実は彼と同じ痛みを抱えている。 魂が呼応し合うように惹かれあう彼らは、決してそれぞれの境遇を語り合ったりなどしない。 ただ、意味もなく共に過ごすことで同じ痛みを分かち合う。 漢江の畔で彼は少女の膝枕で涙を流し、彼女は声を殺して優しく泣くシーンでは、そんな二人のむき出しの哀しみに胸を打たれた。 全編に張り詰める緊張感と漲るパッションはとにかく圧倒的で凄みのある映画だった。 そして、これ以上ないくらい純真で優しい物語だった。 【poppo】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-03 00:22:42) |
【michell】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-03-28 22:46:55) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 漢江での膝枕シーンが素晴らしすぎる…。本当はお互いにもっと自分のことを打ち明けたかったはず、でもそれができない二人が流す涙。苦しくて、切なくて、でも安らぎも感じるこの気持ちは只事ではない。本当に凄い映画だと思った。つらい環境の中でも笑顔を失くさず、ひたむきに生きるヨニが愛らしくて、みんな幸せになってほしいと願ったけど、サンフンの死は因縁になっているのでこの結末ありきの物語。暴力の連鎖をしっかり描いている。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-03-24 21:37:42) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 イップンだったかニフンだったかサンプンだったか知らんが、自業自得だ。現状を見る限りではサンフンに対して同情の余地は一切ナイ。こんな男さっさと死ねばいいんだ。シバラマがっ。暴力の塊に街をうろつかれては困るってんだ。シバラマがっ。シバラマ シバラマって テメェ どんだけうるさいんだよ シバラマが! って (でもそれが次第と心地よくなってきちまったじゃぁないかよ!バカタレがっ!) だがしかし、予告編の期待を裏切らなかったその内容にはもう脱帽。そして、後に知ったことなんだが、ヤン・イクチュン この人自体が監督であった事にめちゃ衝撃。よくもこれだけ醜い憎まれ役を自分で演じきったもんだ。というか、逆に自分でやらなきゃ誰も作りきれなかったであろう サンフンという役作り。残念ながら、DVDであっても特典らしきものは特になく、その撮影風景や監督インタビューなどを覗くことは出来なかったんですが、やはり、ヤン・イクチュンというこの人、すごく気になった。 で、速攻にて調べてみました。ヤン・イクチュン‥‥ ああ、なるほど‥。 結果、普通の青年であったことに安心したというか、少々肩透かしを食らってしまったというか、感想としては微妙で、どっちつかずな思いが生じてしまったが。 (自分が確認した画像及び動画では 既に髪も結構伸びてて黒キャップを普通にお行儀良くかぶり、時折笑顔も交えながらのインタビュー対応シーンでした。) そんなわけから、もちろん今後益々のご健闘を期待したいのはヤマヤマなんですが、かなり難しいヤマとなるのじゃないでしょうか この作品を越えるということは。プレッシャーに負けじと頑張ってってほしいもんですね。自分の予測が外れたならば、それこそ幸いなんですが。 最後にヨニ役のキム・コッピ。サンフン相手に啖呵切るとこ すっごい心地エエです。ナイスです。サンフン相手にねちねち口では絶対に負けんとこ 心地エエです。何かといろいろナイスやったです。 【3737】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-03 18:23:31) (笑:1票) |
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7.痛い、痛すぎる。暴力をふるわれる側の肉体的な痛みではなくて、暴力を行使する側の自身も知らない魂の痛みがひしひしと伝わってきてしまう、こんな暴力映画他にあっただろうか。暴力と暴言でしか語る言葉をもたないサンフンのような主人公に感情移入するなんて、普通だったら無理!って感じだし、暗くて救いのない暴力映画なんて観る気分じゃないしもう観ないで返そうかなとも思ったんだけど、本当に観てよかった。いつでもそうなんだけど、間違いなく私の中の名作!って映画に出会ったときって、なんかすごいって思いでいっぱいになってしまって、一体何がすごいのかって言葉にするまでにすごく時間がかかっちゃうんですよね。何度も観て、反芻して、それから感想を口にすべきなんだろうけど、とにかくこれはすごい!ってことをとりあえず言いたくて。 【カエル本舗】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-07 16:55:47) (良:1票) |
6.すっっっごい。 いっぱい考えちゃう。 苦しい。 生きるってなに? そういう運命 って納得すること? 苦しい。苦しい。痛い。痛いよ。。。 シッバラ~マ~!!!!!! これは覚えた。 【momomo】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-06-22 02:23:30) (笑:1票) |
5.ぶん殴って気絶させてしまったヨニを少しだけ離れて待つサンフン・・・。この出会いのシーンだけで、私は彼を少しだけ好きになった。束の間の幸福なんて思ってもいないと言わんばかりの甘さのかけらもない市場のシーンにもぐっときた。ラスト、焼肉のシーンで、彼が皆を巡り合わせたことに感動して涙がこぼれた。生きてきた意味あったじゃん、って。ひきずることしかできない人間はつらいな。これを撮りあげることで何かと決別したヤン・イクチュンの力技に脱帽です。 【showrio】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-06-04 01:30:19) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 夜の外のシーン、っていうのは、明かりがないと真っ黒のまま。そこに映像を浮かび上がらせるためには、光るもの、照らされるものが必要。だから夜の外のシーンに収まる光には意図が含まれていないはずがないのだ。 海辺の白い波が泣ける理由は、「月の光」であった。では漢江の2つの街灯は何だ!? その場の奥行きを作り出すためだけではないはずだ。事実、あの街灯二本がいつまでも脳裏に焼き付いているのだ。手前のめそめそ泣くDQNと女子高生なんかよりも、何も言わず微動だにしない、ただたまたま写りこんでいる街灯2本が泣けるのだ。なんでですか? |
3.《ネタバレ》 主人公サンフンは見知らぬ女を執拗に小突いている男を殴り倒し、うずくまり怯える女の頬を今度は自分が叩きながら「お前は殴られてばかりでいいのか?」と問う。その直後、彼の後頭部めがけて振り下ろされる強烈な一撃。わずか数カットで主人公の生き様を示唆するこの冒頭から以降も、映画は幾度となくこうした「反撃」を繰り返す。反撃とはつまり暴力の連鎖だ。ヒロインたる不敵な少女ヨニとの出会いすら、彼女の勝気な平手打ちへの過剰な反撃として描かれる。だが、ひるむことなくこの暴力男と渡りあうヨニが彼に突きつけ求めるのは、反撃へのさらなる不毛な反撃などではなく、缶ビールの形を借りたささやかな詫びと落とし前だ。石段にならんで座る二人に流れる静謐は、サンフンの凶暴な人生哲学が初めてゆらぐその一瞬でもあっただろう。かつて暴力により家族を奪った父に「反撃」として制裁を加える彼にとって、暴力とは元来憎悪すべきものであったはずだ。殴る男(父)への憎しみから受動的に端を発した彼の暴力が、けれど次第に能動的衝動へと肥大し、かつての父のそれと相似形を描いていく恐ろしさ。その矛先は取り立て屋として訪れた先の債務者や手下の弟分に向かう。制裁を超えた私刑として下される父への「反撃」もまた然りだ。原題が示す「糞にたかる蝿」のように強迫観念にも似た暴力衝動に囚われ、自らこそが怪物となるサンフン。一方そんな彼にとっての菩薩となる、自分自身傷だらけのヨニ。互いの過去を嘆くでもなく胸に秘めたまま、夜の漢江のその畔で、痛々しい膿を搾り出すが如く涙をこぼしあうサンフンとヨニ。だが慟哭するサンフンに膝を貸し嗚咽をこらえるヨニが彼女自身の膿を出し切ることはないのだ。容赦のない連鎖の罰を受けながらも魂を浄化するように息絶えるサンフンと、その亡骸を前にやはり懸命に嗚咽を殺すヨニ。そして膿を吐き出せぬままの彼女が回想する、膿の元凶たる母の死。その余白にちらりと過る男の影がやがてくっきりと焦点を結んだ時、ヨニはサンフンの遺した幸福な光景と、等しく彼の遺した拭い去れぬ糞の痕跡、そのはざまに息を呑んで立ち尽くす。彼らのささくれだった魂がまるで閃光のように強烈に、フィルムにそして私たちの眼に焼きつく。恐るべき傑作だ。 【BOWWOW】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-13 17:20:14) (良:3票) |
2.子供や女性や老人や自分の愛するひとが、”暴力”によって”破壊される”殺される”脅かされる”ことを”目撃”したりまたは、”自ら手を下す”事は、”人間”にとってはどのような感情を起こさせるのか?身がすくむのか!?恐ろしいのか?!悲しいのか!?やるせないのか!?どうしようもないのか!?これは映画であって現実ではない。しかし、観客全員が当然、周知のとおり、現実世界はこんなに生ぬるくない!!!!もっともっと、恐ろしい世界なのだ!!(というか人間そのものが、恐ろしいものなのですが)現実にはいろんなヒトがいるだろう。暴力とは無縁で生きているしあわせなヒトもいれば、主人公たちみたいなヒトもいるだろう。もっと、もっと悲惨なひとも大勢いるだろう。。。。。。。ハンガン川でのつかのまの膝枕の二人の”愛の時間”は”涙の時間”は、この世に生まれてきたすべての人間が持つ、”生命のかなしみ”にも思えた。すばらしい映画だな!名作!観ている誰もが、途中から、この悲劇の末路を想像し始めただろう。悲劇で終わるのは間違いない!しかし、どのような結末を迎えるのか?イヤーーやってくれた!この監督!!主人公兼務なだけに、まったく”最高カッチョエーー”死に様をつくったなあ。”最後の日”の仕事に向かうあたりからもうゾクゾクしたね!気弱になってて、逆に客からハンマーでやられて、手下からもボコボコにやられて、もう、脳なんかもメチャクチャだろうに、鼻血だして、それでもやっと歩いて”こりゃまずいぞ、学芸会に行かなきゃ!”ってよ、、、、もう、オレも涙ボロボロだぜ。最高にカッチョヨカッタけど、、、もう、、、合掌です!ほんっと!生き残ってほしかった。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-11 20:45:49) (良:2票) |
1.《ネタバレ》 暴力を振るう者はいつしか必ず暴力を振るわれる側になるのだということを、この映画はタイトルが出る前で既に語り、そして台詞として語り、そして全編を通して語り尽くす。暴力は暴力を生むこと、暴力の連鎖を食い止めることの困難さを示す。暴力を捨てたサンフンに彼が今まで振るい続けた暴力がまとめて返って来るのだし、それは実質的な暴力のみならず、辿り着きたい所に辿り着けなくなるという、暴力より遥かに過酷な罰となり我に返って来る。この映画もやはり暴力を振るった者である場合、愛や家族、そういったものであれど、彼を暴力という柵からは解き放つことは出来ないと示す。 しかしそれはそれであるが、そうであって欲しくはないというのが、希望や許しであり、勿論この映画もそれを描かずにはいられない。 ヨニはサンフンが何故泣くのか理由を知らないのだし、またサンフンもヨニが何故泣くのかを知らない。互いの理由を知らぬふたりが、全く違う理由のようで、根底は実は同じである理由で、共に涙をする姿をワンショットで撮る。つまりワンショットの中には結果のみが集約されているのだが、それと同時に観客のみがそのどちらの理由をも知っているということがこの漢江でのシーンの美しさを際立たせる。 そして焼肉店でのクロースアップ、クロースアップ、クロースアップ・・の連続は、サンフンの視点である。彼の姿形こそそこには存在し得ないのだが、彼の望んだ結末を、彼が望んだ光景を、彼に代わり、我々観客が目の当たりにする。その幸福感を共有した我々は涙を流さずにはいられない。その涙は勿論我々の涙だが、同時にその涙はサンフンの涙となる。この瞬間、映画はスクリーンなどというものを飛び出し、観客と一体化するのだ。傑作。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-04-19 23:57:41) (良:3票) |