1.《ネタバレ》 うーん、これは良い映画ですねー。オリジナルだとばかり思っていたのですが、リメイクみたいですね。
子供たちに帰郷をドタキャンされた、老年の父親が、、子供たちを一人一人訪ね歩く。ただそれだけ。ロードムービーが苦手だし、いつもだったら手に取らないジャンルの映画です。正直ロバート・デ・ニーロ、ケイト・ベッキンセール、ドリュー・バリモアの共演でなければ観ていなかったでしょう。
ですが、淡々として退屈そうなのは、まさに雰囲気だけ。こんなに心の琴線に触れまくるドラマティックなドラマはなかなかないです。
予備知識なしで見たので、子供たちがみんな、父親に本当のことを言っていないという事実にびっくり。その真相はフランクの夢の中で明らかに。エイミーとジェフが別居中なんて、全然気付きませんでした。さらには、ジルが預けにきたのはロージーの子供という事実だけでもびっくりなのに、ロージーはレズビアンだとまさかのカミングアウト。そしてデイヴィッド。まさかまさかの結末。
『安易に人の死で涙を誘おうなんて・・・』と、いつものクレームが頭をよぎったそのとき、画廊でフランクが出会った、デイヴィッドの絵。そこには父の仕事の結晶が・・。やられた。もう涙で何も見えやしない。
振り返ってみれば、この映画って、冒頭のシークエンスからしてかなり良かったんですよね。子供たちの帰りを楽しみにまつフランク、子供たちを喜ばせたい一心で準備するのはバーベキュー。そこへ相次ぐ子供たちからのキャンセルの電話。そして、ひとりバーベキュー。いやー、切ないですね。このシークエンスがあるから、ラストのシークエンスがより一層引き立つ。凄く悲しい事実と直面した後なのに、幸せを感じるラスト。もう脚本が素晴らしいですね。
更には、幼い頃の子供たちの姿とたびたび重ねあわせるなど、演出も抜群。
これこそ、まさに隠れた名作。