2.《ネタバレ》 ヒッチコックやルネ・クレマンといった巨匠も映画化したパトリシア・ハイスミス原作の見事な映画化。
古代遺跡と風光明媚な島々からなるギリシャの風景を活かした美しい画作り。
度々挿入される新聞に警官や群集、入り組んだ街並みがサスペンスの空気を効果的に作り上げています。
登場人物は詐欺事件を犯したことに端を発し、逃避行を余儀なくされたアメリカ人夫妻と
旅先で夫妻と関わることになった1人の青年の3人のみといってもいい。
しかし3人の間に絡み合う嘘と秘密と、逃避行の過程で彼らの関係と心理が移ろいゆく様を
徐々に彼らを追い詰めていくかのごとく描き出していく。
逃避行と、3人の不安定な関係。この2つのサスペンスのバランスも実にいい。
知名度は低くてもいい映画がまだまだ沢山あるんだと改めて思い知らされる一作です。