1.《ネタバレ》 15世紀のロシア、、、、タタール人により村は蹂躙され、人々は意味なく虐殺される。、、、、修道士は娘を救うために人を殺めるが、その狂った娘は、修道士を裏切ってタタール人とともに去る。、、、、なんという不条理。いったいどこに神の意思を見いだすことができるのだろう。、、、、、鐘を鋳造した少年。彼は、死んだ父が鐘作りの秘密を伝授してくれたと吹聴したが、実は、何も教えてくれなかったのだと真実を吐露して涙する。父=神。、、、神は何も伝えてくれない。、、、、、どこに神の徴もないこの不条理な世界、それは15世紀のロシアだけでなく、20世紀のスターリン支配のソ連のことでもある。、、、、、だがしかし、それでも私たちは、神を信じる以外に道はないのだ。絶望の淵にあったヨブが神を信じたように。ルブリョフがそう信じてイコンを作り出したように、今に生きる私たちも、同じように神を信じて、価値あるものを作り出せ、、、、、、そういうタルコフスキーの熱い、熱い思いが満ちた映像だと思いました。、、、、、、、しかも、遠藤周作の『沈黙』を想起させるテーマでありながら、遠藤のような日本的なキリスト教ではなく、正統な一神教的伝統の心性をも垣間見せてくれ、さらに、その後の作品と違って、主観的なロマンティシズムが抑制され、格調高い作品となっていると思います。