25.しつこいくらいの硬質硬派な演出に、微かに香るアホウなコメディエッセンスの加味。この奇妙なバランスは、押井守作品の中でも群を抜いている。ラストの、掌を握り合う演出は、押井作品とは思えないくらいにロマンティック。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-09-20 00:48:29) |
24.これまでに比べて色調が抑えられ、後藤・南雲をメインに迎えた硬派な作画・演出が冴えている。半ば監督の代弁者となった後藤というキャラクターが際立つ。都合のよい展開が見られたストーリーはイマイチと感じた。 【kagrik】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-06-30 18:58:34) |
23.《ネタバレ》 劇場版前作のみの知識です。相変わらず話が練られていて面白いですね。ドンパチが主体でないのが硬派な感じで素晴らしい。その辺を期待していた人には不評だと思いますけど。前作でも感じましたが、監督は先見の明があるんじゃないかと思いました。むしろ20年近く経った今観るから面白く感じている部分もありそうです。 |
22.《ネタバレ》 観念的な物語、ということばをわざとさけて九十年代から00年代に掛けて多くの国産テーマ重視の作品が腐された。 今考えると、近隣による、自国での複製が困難な日本の高度な映像コンテンツが海外市場に打って出られないようにするためのキャンペーンが奏功したんだな、と気づく。 中国への留学生にその昔、芸術や工業技術を日本人の心に刺さるように吐き出す手口を披露してもらったことがある。 「そんなきれい事は言ってもしかたがない」 「そんな物機械に頼らない方が良い」 「説教なんて聞いてられない」 と言うような事を、どのような口調でどういう風に見下しながら喋れば日本人の自尊心が壊れるかを語ってくれた。自分達は両の手がクリーンでかつ金に塗れたまま、外国人を感情のゴミ箱か商売道具か何かのように扱う。日本人なのにと、心の底から恐怖感でいっぱいになったのを思い出す。そして有りもしない罪悪感や劣等感を植え付けることばを私に塗り込んだあとふと、そういう手口だから気にするな、と笑う。催眠術から解けた気分だった。 パトレイバーは子供の頃大好きだった。この作品は、キャラクタに頼らない設定って言うのが異様でそれぞれの立ち位置がメインキャラではないし、実行犯の実態も見えてこない。主人公の後藤のキャラの立ち方が少し流れから少しずれていて、見せ方が秀逸だった。 都内の風景があんな風に完全に壊れた感じになっちゃったらとおもうと、恐ろしくなる。国防上の問題提起も15年以上たってもまだアニメ映画のほうが、活字媒体より進んでいるということに背筋が凍る。パトレイバーのキャラを使って、こういう重いテーマで話を一本作ってもらえたのがうれしい。ロボット物じゃない、パトレイバーというストーリーが好きなんだという気持ちが伝わってくる。 この様なメディアの特性に合わせて展開していくのが紛れもなくパトレイバー。テロリストとただの警官が戦う。主役のキャラに頼らない重ーいパトレイバーをもっと観たい。実に観たい。 日本が何かに侵食されている。その流れを止めるのは警官でも市民でも無い。流される主体だからだ。 だけど、その中にも疑問を持って、行動に移す人間がいる。そう言った事に対して示唆的では無いか。 ちょっと前まで、抵抗し得ない主義的な無力感が世間にあった。が、それは酷く人工的な物でさらにはそれが国産では無いと言うことに恐怖する。 【黒猫クック】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-03-21 23:28:05) |
21.《ネタバレ》 これは凄い!!! お笑いとかそういう余計なもの一切ないし異常にクオリティ高くて驚く。 最初はテロの仕方に「ありえないー!」とか最初は思ったが、徐々に進むにつれて笑えなくなっていく・・・。 最高峰のレベル。 |
【アフロ】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-04-24 07:19:50) |
19.押井守という唯一無二の才能が遺憾なく発揮された傑作。 ただシリーズものの一環として製作しなければならなかったために、メインストーリーとは無関係な人物たちを前後にくっつけているという残念。故にマイナス1点。 また、あまりにも率直に啓蒙されて、安易に改憲すべきだなんていう人が出そうで怖い。 【カラバ侯爵】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2007-03-20 05:50:51) |
【ボバン】さん 9点(2004-12-28 14:23:24) |
17.《ネタバレ》 痛い、怖い。リアルな戦争ものよりずっと身につまされるのは、この映画が私の弱点をついてきたから。日本人の平和意識と、国防、危機管理の甘さ。地下鉄サリン事件すら危機管理の不備ではなく、異常な人が起こした特殊例として扱った日本の、この先は暗い・・・気がする。押井守は好きだが、ロボットものは苦手なので敬遠していたこの作品、予備知識なくても理解できよかったです。でもこの映画の素晴らしさは監督よりも脚本家の功績ですね。 【トマトマート】さん 9点(2004-03-22 06:24:11) |
16.冒頭のシーンは今を予言していたかのようで怖さすら感じる。今の政治家たちに見せてやりたい作品。作画の質が高く、迫力のある映像に圧倒されて、その戦争にリアルを感じずにはいられない。もしかしたら、それすら予言しているのだろうか???僕らが平和と感じている今この瞬間も戦争はどこかで行われていて、線引きをしてここから先は戦争、ここからこっちは平和ということになるのだろうか。今にも始まるかも知れない、いや、既に始まっているのかも知れない戦争に対して、僕らはどんな答えを出すのだろう。僕もやっぱりこの街の未来を見てみたくなった。 【もとや】さん 9点(2004-03-09 12:26:55) |
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15.今作も初めての人には若干敷居が高いかもしれない。けれども相変わらず…いやもっとパワフルになった押井センスに拍手。物語全体を包んでいる硬質な雰囲気や緊迫感も、浸かっていて気持ちいい。後、音楽が前作同様、見事に映画を盛り上げてくれて良いです。竹中直人の声もばっちりハマってますね。二課の時の流れにちょっぴり淋しくなっちゃいました。 【ゆうしゃ】さん 9点(2004-03-03 10:20:48) |
14.《ネタバレ》 自分の話の展開の読めなさ加減にもう諦めて、分かったつもりで見てますが、最近見直して、本当に起こりそうな事態、戦後教育への問いかけに評価が変わりました。ちょっとセリフが聞き取りづらいきらいがあるが、まぁ良いでしょう。この作品に合った音楽もいいですね。 【リン】さん 9点(2004-02-29 01:58:37) |
13.もんのすごく渋く、クールな大人のアニメ。 この映画が10年も前に作られたと言う事実に驚くばかり。 そして、今の平和ボケしたまま変わらない日本人にも…驚くばかり。 【ふくちゃん】さん 9点(2004-02-26 18:12:58) |
12.この映画は観る者を選ぶね。子供は『寝てなさい!』と言わんばかりに拒絶する。アニメマニアのみなさんも拒絶する徹底ぶり。興行収入というものをシカトしているような難しい映画。だからここの平均点には結構ビックリ。ストーリーは理解できるけど、全てのセリフを完璧に理解しようとするには無理がある。人によって理解の度合いはかなり違うんじゃないかな。ああ、おれ?申し訳ない。かなり理解しちゃったね。おれ結構できる子なんだよ。あれでしょ。日本人は平和ボケしてるって事でしょ。何?お前の理解度は10段階の1だって。そんなこたない。2は堅いね。 【ブン】さん 9点(2003-12-01 18:05:43) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 初期OVA第5話・6話のリメイク版。 戦争という物がいつ始まるのかではなく常に始まっているという 平和ボケした日本人に対しての痛烈な批判に満ちた作品だ。 柘植行人(告げゆく人という暗示)なる元自衛隊員の 過去の無慈悲な体験(PKO海外派遣でレイバー隊を指揮し専守防衛により部隊が全滅)により 祖国に舞い戻り潜伏してたった1発のミサイルで擬似戦争状態を演出し 首都圏をパニックに陥れようと画策。 事態は米軍による再占領スレスレの状況にまで追い込まれてしまった・・・。 メインキャラが既に大人であり(前作までの漫画然とした雰囲気は限りなく薄い) アニメというよりは実写にする事ができない(諸般の事情)アニメというべきか。 事件の陰の首謀者だった荒川の放った言葉「正義の戦争と不正義の平和にそう大差は無い」 「この国はもう一度戦後から出発するのさ」等かなり過激な言葉が連発して ドラマに一層緊迫感を与えている。 後藤が上司の煮え切らない(現状把握のできない)態度に怒り爆発し 「だからぁ!遅すぎたと言っているんだぁ!!」 と叫んだ瞬間に見ていた自分も本当の現実に引き摺り降ろされた感覚を覚えた。 ラストに首謀者柘植の放った言葉「まだ見たかったのかも知れんな、この国の未来を」 何様のつもりかという怒りの底に【許された】と感じたのは私だけではない筈。 |
10.《ネタバレ》 雪とともに静かに、そして着実に「状況」が整っていく恐ろしさ。語りが過多気味な所が鼻につきましたが(押井さんの癖ですね)、これを見たときの衝撃は計り知れないものでした。人が無差別に殺されていく事が戦争の第一定義ではないという事をこの映画で知りました。まったく10年前にとんでもないもんを作ってくれたもんだなぁ。押井守という人は。 【しゃらら】さん 9点(2003-11-10 16:24:31) |
9.別に軍隊マニアではないのですが、あの戦闘機や戦車や戦闘ヘリのシーンが緻密に描かれていて好きです。荒川の戦争についての長セリフも陳腐だと思いながら聞き入ってしまうんですよね。 あのドライブのシーンもお気に入りです。 人間ドラマではしのぶさんの過去が衝撃的でした。 ラストの二人の手の芝居が鮮烈に頭に残りました。 しかし、しのぶさんは後藤隊長のことは何とも思っていなかったのでしょうか?あれだけ尽くされて遠まわしに告白までされて無視ってのはないんじゃないかと・・私は個人的にそれが気になります。結局(愚かな)女性は本当に自分を幸せにしてくれる異性には気づかないもの、と言いたいのかと邪推したりしましたが。 (愚かというのは不器用、に近い意味で決してしのぶさんを愚弄しているわけではありません:汗)そう言えば監督も離婚経験者だった・・と下世話な読みをしてしまう愚かなファンが此処に。 もちろん全体通して好きな映画です。当時にしては珍しくLDまで買ってしまいましたよ。これまた一見さんでも楽しめる映画です。(そうでもない?) 【ひろほりとも】さん 9点(2003-10-14 15:31:07) |
8.これを観ると、押井監督はいかに「劇パト1」で、「正しい娯楽映画」に徹していたかがわかっちゃってOKな気分。我が家では夫婦で、夏にパト1、冬にパト2を観るのが習慣になっています。ちなみに……。押井さんが本編の裏に込めたという「橋の物語」はわかったんだけど「鳥と魚と犬の物語」がまだわかりません。あと「2と3の物語」も。 【柿木坂 護】さん 9点(2003-09-28 18:12:41) |
7.パトレイバーを劇場に見に行った者としては当時相当に辛かった覚えがあります。だってパトレイバーじゃなかったもの。でも投げかけられたテーマと映像はいつまでも頭にこびりついていて9.11の事実に妙に納得したものでした。今評価すると9点です。20年後はまたわかりませんが。 【ぽぽ.net】さん 9点(2003-06-22 03:11:30) |
6.パトレイバーを全く知らないで、日比谷の映画館で暇つぶしに観て以来、何度かレンタルしてきて観ている。漫画は少し読んでみたし、テレビアニメも何本か観たが全くレベルの違う別物だったので途中で投げた。この映画だけが特別に良くできているのだ。リアルな東京の下町の映像。日本でしかあり得ない風景を、ここまで描いているアニメーションも珍しいのではないだろうか。そして日本の防衛の危うさについては、9・11以降なので背筋が凍るような思いがする。思いがするだけで、何もしない自分。それが日本という国・・・・・・そんなふうに思った。本当に日本に有事が起きたとき、この映画を観たことがある人は、たぶん後藤隊長の叫び声を思い出すだろう。 【ルクレツィアの娘】さん 9点(2003-06-03 22:11:45) (良:2票) |