1.《ネタバレ》 疲れていたせいか、前半の白黒部分では危うく寝そうになった。が、後半一転してビデオ撮影によるカラー映像になって、がぜん盛り上がった。ゴダールの映画は、繰り出される映像と音にいかに心を震わせられるかが勝負の分かれ目なのだ(寝てる暇はないってことね)。本作も海を捉えた映像が頗る良い! 引用は、分かった者勝ちみたいなところがあるが、意識しないでいてもひとたび心の琴線に触れると思わぬ大きな感動がこみ上げてくる。今回は、『アタラント号』のミッシェル・シモンの唄もそうだが、パウル・ツェランの『死のフーガ』の朗読(恐らく彼自身による)レコードが出てきたのには本当に驚いた。そして、ラストはリュミエールへの回帰。やはりゴダールは映画の申し子だと思う。