2.《ネタバレ》 シリアスなクライムものを砂糖抜きのコーヒーとするなら、こういうライトなクライムものは甘いカフェオレみたいな感じ。これはこれでありであり、そして好きでもあります。
セロンも演技力があるので、アシュリーが悪女なのかそれとも実はその下に良心的な純粋な心が隠されているのかが見ているこちらも分りづらくなるというあたりも素晴らしい。
いわゆる、ふ〜じこちゃ〜んみたいなストレートな悪女ではなく、純粋そうだった(最初の手紙と写真だけのイメージ)のが、実はチョイワル(ワル者一味のひとり?)、だと思ったら以外と純粋?(ルーディとの会話から憶測)と思ったけどやっぱり極悪?(ラストあたり)・・・というキャラクターがコニクイ。
ちなみにセロンとベンが初めて出会ってお茶してるときに店内に流れていたBGMが「at last」でして。
この曲、すごい好きな曲だったんですよ。
わ〜って思った。
歌詞の中味は「ついに〜恋人ができた〜♪私のロンリ-デイズは終わった〜♪」って、もうその場面のベンの心境そのものだったので、そんな曲のせいで「ふむ、この物語はベンが友人の恋人と恋愛関係になる話ということなのだな」とすっかりだまされました。
男どうしの友達で、片方に彼女がいて、でもそのひとが死んで、かわりにその友達が彼女に近寄ってねんごろになる・・・な設定ってけっこう他の作品でもあるので、「あ、今回もそのパタンね」という意味でもすっかり信じきってしまいました。 原作者は映画とか小説をよく見たり読んだりしている人たちのそうした既成概念をうまくさかてにとって、面白い話に仕立てたんだろうな。
また、ゲイリーシーニーズのチンピラボスっぷりが素晴らしい。かれは悪役もけっこうこなすわけだけど 今回のちょっぴりオバカなボスっぷりはこれまでのイメージとは違ってなんともいえない味わい。
しかも「カジノを襲う」なんていうから、どんだけ規模でかいねんと思ったら 国道沿いのパチンコ店みたいなところで、これまたいい意味で、シーニーズのコモノっぷりが強調されてますますいい味わいになっている。 随所にユーモアなんかもおりまぜていて、ドタバタありの、内容だけきくとシビアなはずなんだけど、深刻すぎず軽くて見やすい・・・なんてのは「アルマゲドン」と通じる仕上がり感。 (あ、アルマゲドンも肯定派です)