1.《ネタバレ》 「彼女はよく、嘘をついた。」
誠人のこんなセリフから始まる映画ですが、この最初のセリフは一番最後にちゃんと活きてくる。
「ただ、君を愛してる」というタイトル通り、宮﨑あおい演じる静流の誠人に対する愛が画面いっぱいに溢れ出ていたと思う。
「あたしはただ、好きな人が好きな人を、好きになりたかった」というセリフも、静流が言うと何となく理解できてしまう。
静流の誠人に対する想いが可愛くて切なくて一生懸命で、少女から女性へ成長していく姿も見事で、あのメガネを外した後の笑顔の可愛さといったら!
恋をすると女性は綺麗になると言いますが、本当に綺麗に可愛くなったあおいちゃんに、女のわたしでもドキッとしたくらい。
誠人役の玉木宏も、あれほどのイケメンでありながら鈍感でコンプレックス持ちの男の子を上手に演じていたと思う。
彼の纏う空気感というか、雰囲気というか、そういうのがきっとこの映画にものすごくマッチングしていたのかな。
よく嘘をついた静流が、最後に誠人についた「嘘」。
「わたしは今も元気に世界中を飛び回りながら写真を撮り続けているよ」という、素敵な嘘。
こんな嘘なら、わたしも騙されてもいいかなと思える。
哀しい結末だけど、静流の「嘘」のおかげで、少しだけハッピーにもなれる結末になってると思う。
生涯ただ一度のキス、ただ一度の恋。
そして、静流の誠人への愛がこもった「嘘」。
とても素敵な恋愛映画でした。