1.《ネタバレ》 まさしくこの時期に創らなきゃいけない作品を大林さんが創ったことは、本当に日本映画界にとって良かったことである。初恋の苦しみに耐えぬいた作家(映画監督)こそ、大きな問題にも対峙できるのだ。映画冒頭は実験的だった。しかしこの演出こそ、観てる者の魂のさまよいを誘い出す装置ではなかったか。そして反戦へと大きくテーマが移っていく。戦争は人間の最悪の状況を生み出す、最大の政治的過ちである。そこで傷を負ったもの達の、世代をまたいだ魂のリハビリを大林風に描いている。この映画音楽がまた絶妙である。素晴らしい!