1.《ネタバレ》 最高にかっこいい奴らの映画だった。
たった一本のロープのために泥と埃まみれの世界を駆け回り、やっと手に入れたと思ったら最後の最後で全てがおじゃん。
主人公は少年がボールを盗まれたと勘違いしてボールを奪い取り、うまく行かなかった苛立ちを子供にぶつけるありさま。
本当に散々である。
そうであっても、やっぱり少年には優しさを見せ、次は下水が詰まったと聞けばどろんこのまま、さらに臭く汚い現場へ向かう。
それを「完璧な日」という皮肉を言って終わる。
かっこいい・・・最高にしびれる。
反戦が一つのテーマと言えるんだけど、最後にみんなが雨の中それぞれの表情を見せるシーンでは、戦争の愚かさをいつまで立っても学ばない人間だけど、それでもみんな生きていくんだよ、と言うメッセージのようにも思えた。
ラストでは、主人公たちのあの苦労は何だったんだ?とばかりに雨によって井戸の死体があっさり浮かび上がってしまうのも悲喜劇的で最高なオチである。
紛争地での悲惨な現実を描く話でありながら、出てくるのは、女にだらしない主人公や、つねにジョークを飛ばすちょっとイカれ気味のおっさんなど、さながらお気楽アクション映画ばりのキャラで、楽しく見れる。
非常に素晴らしい映画であった。