1. 映画を見るまえの印象では 経済的に困窮する人を描いた暗いドキュメンタリー風の映画かと思っていました。実際は見てみると雄大な自然の中を移動する一種の遊牧民的精神、仲間たちと助け合いながら生きていく連帯感、何かに縛られない自由といったむしろノマドの生活を肯定的に描いていることを感じます。もちろん経済的な困難や、冬の寒さをくるまで過ごしたり病気したときの大変さ、孤独感と表裏一体です。中国出身の監督はノマドの生活を、経済的に大変ではあるが自由な生活を肯定的に感じているのではないしょうか。ひとによってはノマドの生活はもっと大変と主張する方も出るでしょう。
あと、見る人の年齢とあと映画館で見るかテレビで見るかで全く印象が違うは気がします。マクドーマンドに年齢の近い私はしみじみと感動しました。若い人にはピンとこないタイプの映画でしょう。最近WOWOWで放送されて見ましたがテレビだとどうも感じが違いますね。あの夕方の風景は大きな画面で見ないとね。またどこかで大画面で見たい作品です。私としては21世紀になってみた映画では最高傑作です。