1.はっきり言って、これは傑作ではないでしょうか。おバカさ加減でもう一つ突き抜けた感じはしないのですが、未知なる物と向かい合った人間の姿としてはシリアスなSF映画よりよっぽどリアルだと思いました。人類って意外とこの程度じゃないかという気が私はするんですよね。いつもながら無表情なデビッド・ドゥカヴニーが能面のような顔のままジュリアン・ムーアを口説きまくるところとか、対象的に表情豊かなオーランド・ジョーンズが目線一つで笑わせてくれるところとか、頑張ってスラップスティックに挑戦してるのにちっともおかしくないジュリアン・ムーアとか、とにかく配役のバランスにお腹をかかえて笑いました。アイヴァン・ライトマンって役者に対してはある意味ムゴいですが、自分で演技をしないだけあって目線がすごくクール。主観的な面白さより、お客を楽しませる工夫に力を入れてくれる稀有な存在だと思います。全体的に、スケールアップした「ゴーストバスターズ」という印象は否めませんが、ちゃんとスケールアップしてるからOK。進化を続ける宇宙生物はなかなか愛嬌もありますし、彼らの動きだけで吹き出してしまったシーンも多々ありました。真剣に語ってしまう私も私ですが、スケール感もあり派手な仕掛けもあり、シリアスでも充分通用するだけのネタとキャストでここまでバカがやれてしまったことに対する驚嘆はデカいです。実はお正月用に山ほどDVDを借りて来てしまったのですが、これしか観ないことになりそうで怖いです。ブラボー。