1.この映画のキャラクターは、自分の都合の悪い記憶を消すことができるらしい。
恐らくこの映画を見た人のほとんどが思うであろうことが、自分の記憶を消せるとすれば、この映画を見たという記憶を消したいと思うに違いないだろう。それほど酷い映画だった。もっとも、内容がないので、記憶を消すまでもなく、忘却の彼方に消し去ることはできるが。
ストーリーも意味も内容もオチ(実際はエンドクレジット後に多少のオチ有り)も本当にナッシングだ。サスペンスでもなんでもない。
「CUBE」「カンパニーマン」のノリを期待すると間違いなく裏切られること間違いなしのヴィンチェンゾ・ナタリの2年前の作品。
とにかくオッサン二人が飛び跳ねたり、ゲームしたり、騒いでいるだけの90分なので、普通の映画を見たいと思っている人は間違いなく見ない方がよい。
普通ではない一風変わった映画を見たいという人にだけには、なんとか勧めることができる映画。
本来ならば色々深く考えると意味(本当に消したいもの、消したくないもの、失って気づく本当の大切さなど)がありそうなんだけど、そんなことを考えさせないようなマイナスのオーラに包まれたB級映画に仕上がっている。
オッサン二人が砂漠の中をひたすら歩くというガスヴァンサント作品の「ジェリー」には意義を見出して8点を付けた自分でも、この映画は0点でもよかったのだが、微かな友情の証を見出せたので1点を付けておく。