1.「映画において“意味が無いのは良いことだ」という“意味”を映画で語ってしまう愚。単なるタイヤが殺人鬼と化す。しかし殺人鬼らしい神出鬼没さは全くなく、むしろタイヤを一人称で語ってしまうのがツマラナイ。理由が無いどころか、むしろ本来無いはずの動機をわざわざ浮かび上がらせようとしているかのような。メタな構成も説明的で、完全に逆行している。13金のジェイソンの方が、このタイヤよりもよほど中身が無くて、志が高かったと思う。それに、タイヤの本分は、転がること、踏みつぶすこと、でしょうが。念力なんか使っても、まったく盛り上がらない。この映画、「意味が無いこと」と「バカバカしいこと」との区別が、ついてないんじゃないでしょうか。フォーカスを妙なところに合わせる映像なんぞ、まるで興ざめ。およそ、タイヤをひっぱるヒモが写らないようにボカしてるんだろ、と邪推してしまうだけ。