1.《ネタバレ》 普段、サスペンスやホラー、ミステリーと言ったジャンルをまったく見ない人にならインパクトがあるかも知れないけど、多少この手の作品群を見ている人なら、間違いなくオチで拍子抜けする内容。
ひと昔前ならともかく、今どき「トラウマによる多重人格」とか「幻覚オチ」なんて、よくこんな手垢のついた陳腐なネタをまともに使えるなあと感心する。
とにかく目新しい着想や意外性が無く、「リング」系の恐怖演出から「妄想オチ」というパターンに至るまで、既存のホラーやサスペンスのパクリ(「シャイニング」「サイコ「呪怨」等々)。すべてが借り物の域を脱していないパッチワーク。
全体的に思わせぶりなだけのシーンが多く、終始ダラダラとしているくせに、家族構成や状況などの基本的な説明が少ないため、人間ドラマも薄っぺらい。実際「姉妹」とか「継母」という初期設定を見ただけで、だいたいその後の展開が読めてしまう。
そもそも箪笥で圧死なんかするかなあ?しかも空っぽの洋服箪笥じゃなかった?少なくとも声は出せるでしょ。それに何で箪笥の中で首吊りなんかする?こういう突っ込みどころが多く、怖がらせるためのリアリティにも欠けている。
いろいろ全国から募集した怪談話を元に作ったらしいけど、もっと他に目新しい都市伝説やら民間伝承は無かったのか。あまりにも話として凡庸。
また、今作はDVDで見たけど、画面がやたら暗い!暗すぎて夜の室内のシーンは何をやってるかほとんど分からないほど。演出として暗くする事と、客にとって画面が見づらい事は別問題。こういう部分に留意できない点も、監督を始め、製作サイドのセンスの無さを物語っている。