2.《ネタバレ》 個人的には前作もたいして面白いとは思わなかったが、今回は「七人」という位だから、前作よりも娯楽アクションとしてエスカレート&パワーアップしているだろうと思いきや、まるで期待ハズレ。色々な意味で中途半端。
結局、製作サイドが「スタントマン無しでアクションをする」というコンセプトにばかり気を取られていて、「面白さとは何か」を追求したり、「ストーリーをしっかり作る」という基本を忘れている。
問題は、虐殺される村人がナショナリズムによって団結し、テロリストと戦うという生々しいストーリーと、リアリティ無視のアクションによる娯楽作品としてのバランスが取れていないこと。後半の村人の活躍をもってカタルシスとしたつもりだろうが、マシンガンで武装した連中を相手に村人が勝ってしまうには、さすがに説得力が無さ過ぎる。
カンフーアクションに早回しやワイヤーを使わないという心意気は買うが、やはりそのせいでジャッキー・チェンなどのアクションと比べると、パンチや蹴りにはスピード感が無く、打撃にも重さが感じられない。特に少女やジイさんの格闘シーンは感動しようにも、大の男がやられる事にあまりにも現実味が無いので見ていられなかった。
また、サッカーボールや木の実をぶつけたり、鉄棒や平均台といった体操競技のような動きで戦ったりと、一歩間違えばコントになりかねないアクションも多く、やはりシリアスな状況と娯楽性のバランスが取れていない。見ていて感じる中途半端さやチグハグさとは、こうした演出要素の配分を考えていない事から生じていると思う。
前作でも思ったけど「ワイヤーやCGを使っているからダメ」とか、「肉体を駆使しているから良い」という問題ではなく、結局「映画として面白いかどうか」がすべて。それこそオリンピックや「ビックリ人間大集合」じゃないんだから。「肉体だけでがんばってますよ~」だけじゃなく、娯楽映画として演出もシナリオも総合的に完成されてなければ無意味。演出として効果的に使われていれば、表現手段として何を使おうが構わないし、逆に言えば、どんなに努力して肉体だけでがんばってみても、見ていて面白くなければ本末転倒ということ。
無駄の多いストーリー展開、稚拙な演出を含め、作品全体の出来は1点程度のレベルだが、さすがに肉体労働手当てとして+1点は献上。
PS.あのミサイルって何で逸れたの?