1.《ネタバレ》 子どもの頃、「人喰いアメーバの恐怖」なるものをテレビの洋画番組で見かけ、「この世にはなんと怖ろしい生き物がいるのだろう」と思い(たぶん幼稚園の頃だったので、最初の方をチラ見しただけですが)、その後、実はアメーバなるものが全くこんな生物ではない事を知って「なんとテキトーな設定の映画だったんだろう」と思い(実際に全編見たら、内容もテキトーであったワケですが)。
そこでさらにもう一つの疑問にぶつかるのは、「なんでそんな映画に続編があるんだろう」。
私個人としてはさらに大きな疑問があり、「あの子供の頃にチラ見した怖ろしげな映画は、てっきり1作目だと思っていたけど、まさかまさか、続編の方だったのではなかろうか」。
10年以上たって作られた続編にまったく進歩が無いもんで、おおよそ、似たり寄ったり。今となってはアレがどちらの作品だったか、確認のしようがない。けれど、似たり寄ったりとは言えレベルが明らかに下がっているこの続編の方に、まさか子供の頃、震え上がったとは、思えない、思いたくない(いや、マジで)。
この続編、見るからに手作り感あふれ、シロウト感あふれ、低予算感があふれてます。カメラを初めて手にした人が試しに撮ってみた自主製作、という感じ。時々、そういう作品、ありますけどね。この世の全ての映画を出来の良いものから出来の悪いものまで順に並べたとしたら、どこかに大きな谷間があって、そこから一気に途轍もなく出来が悪くなるような気がします。これは、その谷間の向こう側に位置する作品の一本です。ヘボい演出に、ヘボい演技。そんな映画でも一応、役者はその気になって一生懸命(かどうかは知らんが)演技をやってる。おい、いい加減もうやめようぜ、と誰も言わないので、作品が完成してしまう。そこに何か、哀愁のようなものを感じてしまい、無視しきれないのもまた、事実なんですけどねー。
前作は当然フィクションだと誰もが思っていて、この作品の登場人物の一人も前作をテレビで見てたりするのですが、ラストで凍らされ、「?」マークとともに氷に封印されたはずの人喰いアメーバが、アメリカのド田舎に復活し、またも町をパニックに陥れる。少し(だけ)メタな構成になってて、それはそれで悪くないけど、結局は前作と大差無し。人喰いアメーバが寒さに弱いだなんて、そんなこと、もう誰だって知ってる、っての。それを、スケートリンクがどうのこうのと言い出して、おいおい、最後はまた凍らせるだけやんか、と思うと、そこからダルくて仕方がない。いや、外部では建物に火を放って人喰いアメーバを退治しようと目論んでおり、着火の準備が着々と進められている。主人公、危うし! という一種のタイムリミットが設けられているのは、これは工夫と言うべきか。
それでちゃんと盛り上げてくれれば、一気にポイントが上がるところ、ですが残念ながら演出力の無さ。まどろこしいばかり。
だいたい、これだけチープさ溢れる作品。建物に火を放つなどという金と手間のかかるシーンが撮れるはずもない。から、主人公は助かるに決まっています。とか言っちゃ、ダメですね。
アメーバってそんな生物じゃなかろう、と言ってみたところで、勝手にそんな邦題をつける方が悪いのですが、この続編は『悪魔のエイリアン』。この内容で。
無法地帯ですね。ははは。