1.《ネタバレ》 死霊の盆踊りとは比較にならないほど脚本はちゃんと作られているように感じた。なによりも、映画後半になるとジジイに感情移入してしまう。悲哀、孤独がしっかりと描けている。そう、『アバター』と同じ効果がきちんと発揮されている。そういう意味では映画になっている。
音楽がいい。70年代のアメリカの街並みに良く合うカントリーな音楽、ミミズを食べる時のなんだかワクワクする音楽なんか秀逸。
ミミズを食べる時、画面いっぱいに口を映してよーくみえるようにしてくれている。この描写は、のちのヤンシュワンクマイエル監督『ルナシー』に受け継がれている。唇=性器という命題を引き合いに出せば、そしてそこにミミズが群がっているのであるから、エロスだ。
ただ残念なのが、ミミズを本当に口に入れてはいるのだが、きちんと噛み切っていない。奥歯ですりつぶしていない。つまり本当に食していない。ここが惜しい。せっかく30年以上も時を越えて語り継がれることになった映画なのだから、ひとつ覚悟をきめて、生ミミズをきちんと食って欲しかった。