1.《ネタバレ》 尊厳死の是非はおいておいて、そもそも「尊厳死」ってなんですかね?言葉の定義をはっきりさせたい感じです。日本尊厳死協会の定義によると、尊厳死とは患者が「不治かつ末期」になったとき、自分の意思で延命治療をやめてもらい安らかに、人間らしい死をとげることです。 とあります。恐らく、ここでいう不治とはいわゆる「不治の病」の事であり、事故による身体障害は含まれないと思われます。さてこの人の場合は不治ではあるが、いわゆる病ではない、また末期でもない、延命治療を行っているわけでもない。死が迫っている感じでもない。ただ生きているのが辛くて苦痛だから死んでしまいたいという事でしょう。なら勝手に死んでしまえばいいわけですが、どうもこの人は能力的に自殺できないような描かれ方をしています。よって他者の力で死ぬ事を合法化して欲しいと。じゃあ意識もちゃんとあって植物人間でもないこの人は本当に他者の力を借りずに死ぬ事はできないのか?(ミリオンダラーベイビーのように舌を噛めばいいハズ)飯をバクバク食べている人が本当に死にたいのか?(食うのを止めればいいハズ)という疑問がずっと頭を離れませんでした。終始主人公の言動に矛盾を感じ、コイツわけわからんなあという感じです。 (ちなみに日本では年間3万人以上の自殺者がいます。理由の1位は病苦です)